いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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 小坂忠・鈴木茂・中野督夫+高野寛 

markrock2011-02-13

/ HORO 2010 完熟トリオ (横浜Thumb’s Up 2011.2.12)


今年では一発目のライブかな。茂さんを見るというのが今年の目標だったから、すんなり叶ってしまった!


お客さんはかなり入っておりまして、客席には真心ブラザーズ桜井秀俊の姿もあり。茂さんのパートナーらしき方もいたりしてアットホームな雰囲気。熟年ファンが流石に多かったけれど、90年代のはっぴいえんどチルドレン達もチラホラ見えたかな。


で、その出来はもう最高だった!とにかく素晴らしいステージ。個人的に鈴木茂小坂忠、センチメンタル・シティ・ロマンスは気付いたら全て買っていた、という人達。エイプリル・フールはっぴいえんど、という系譜を通ったらまず初めに聴くことになる面々だろう。センチも直球のカバー集はっぴいえんどを出したこともあった。ただ、今回の厳選された楽曲群は、マニアックなご託を並べずとも、各人の代表曲を網羅する感じで万人が楽しめるセットだったはず。


ハコの都合上アクースティックではあったけれど、セカンドステージから登場した茂さん(ひときわ大きな歓声から、ファンがどれだけ彼の復帰を待ち望んでいたかがわかり、涙…)はストラトで、”砂の女”なんかは高野寛がベースに回り、パーカッションの永原元の力演もあったもんだから、そりゃあド迫力。今週木曜のエレクトリックセットのライブには敵わないかもしれないけれど、全く遜色ない好演だった。


ファースト・ステージはジェイムス・テイラーが一つのキーワードだったかな。高野の”終りの季節”なんていうHOSONO HOUSEものから、小坂忠は”からす””にもっともっと”、終始ステージを引っ張っていた現役感一杯の(フレーズに迷いが無い感じ、あれが現役ですな)中野督夫はモロにジェイムス・テイラー”Blossoms”のカバーを(アンコールでは”Mexico”も演った!)。センチの曲の種明かしもあったりして。


セカンドステージは鈴木茂が加わり、HORO版”氷雨月のスケッチ”を演るわけなんですよ。ここらアタリからもうじーんとしてしまう。そして”ほうろう”、”機関車”が来る。その後の”ありがとう”も良かったけれど、小坂忠本日の名唱は間違いなく”機関車”だった。個人的には、ここまで演奏に心が深く入り込んでしまったのも久々の経験だった。


そしてそして、”しらけちまうぜ”に”花いちもんめ”。コレを茂さんの生エレキで聴ける日が来ようとは…唯一無二の音。全くの衰え知らずだったことに驚かされる。声もかなり出ているし、これで還暦を迎えるとは俄かに信じがたかった。


小坂のカバーモノではカーティスの”People Get Ready”とサッチモの”What A Wonderful World”を聴けて。味わい深く流石のソウル解釈。あとは、しょっぱなの高野寛の”ベステンダンク”弾き語りなんてのもさりげなくぐっと来たなぁ。死語だけど間違いなくあれこそが胸キュンってやつでしょう。


はっぴいえんどをきっかけにかれこれ10年前くらいに出会った友人とこのライブを観に行くことが出来て、それがまた何とも良かった。音楽を好きでいて良かった。


でも、帰りに色々話したけれど、今の時代、音楽も芸術も本も映画も、昔ほど魅力あるものになり得ていない、なんて話になって、なるほどと思った。今時、サッカー選手に憧れるみたいな気持ちでティーンエイジャーがミュージシャンに憧れてるか、っていう話。サッカーが多くの子供たちに与えられている夢を、音楽が今与えられていない、と言うことなんだろう。さらに言うなら、ギターよりゲームの方が夢を与えられているなんて…


ロックの、いや音楽の素晴らしさを伝えるために、僕等が出来ること、しなければならないことがあるな、と強く感じている今日この頃だ。



「頑張って4人のサインを集めてね」といいながら、ステージで足を伸ばして座っていた茂さんはなんだか少年みたいだった!素敵なステージを本当にありがとう。