いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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 佐藤隆 

markrock2010-11-23

/ I’ve Been Walking ( BLOW UP / 1980 )


BLOW UPっていうレーベルはなんだか最近気になる。日本コロムビアのレーベルかな。CD化も進んでいない(あるいは一度CDになったけど廃盤、とか)部分もあるみたいで。佐藤隆のファーストもBLOW UPだとは気がつかなかった。


さて、佐藤隆というと、東芝に移籍した後に高橋真梨子に提供した”桃色吐息”、谷村新司との共作となった”12番街のキャロル”、それに自身のヒット曲”カルメン”、”マイ・クラシック”辺りで知られているシンガー・ソングライター。ジプシー音楽を思わせるエキゾチックなメロディは80年代の歌謡界に新鮮なヨーロピアン風味をもたらした。とは言え、そのしゃがれ声のボーカルは、このファースト・アルバムのコピー「ぼくたちが最後のビートルズ・エイジかもしれない。」を持ち出すまでもなく、ジョン・レノンを思わせるモノ。エイティーズ産のビートルズ・トリビュート盤『抱きしめたい』では秀逸な”Rock’n’Roll Music”をジョンばりの渋い喉で披露してくれている。テンプターズウォッカ・コリンズの大口ヒロシと2人でデュオを結成したこともあった。


このファーストは全曲が松本隆(詩)-佐藤隆(曲)-鈴木茂(編曲)というはっぴいえんどが2人入った黄金の布陣で。ミュージシャンも、林立夫、上原ユカリ、後藤次利鈴木茂佐藤準など腕利きばかり。


後の東芝時代を思わせるエキゾチック路線も見られつつ、ベスト盤には通常入っていない”メトロ・ポリス”なんて曲もボーカルがなかなかロックしていてめっけもんだった。あと、ビートルズっぽい甘酸っぱい”赤い靴は嘘つき”、そして追憶のロックンロール〜ビートルズへの鎮魂歌”8ビート・ドリーム”(今のところの最新作のタイトルでもある)もぐっと来た。


アルバム単位だと、はっきり言ってトータル・アルバムとしてのコンセプトも明確で、完成度が高いモノばかり。『男と女』、『甘い生活巻上公一の詩が半端ない!)『土曜日の夜と日曜日の朝』あたりがオススメ。『ゴールデン★ベスト』も、シングル発売された”帰るとこあるの?”(”All You Need Is Love”を引用している)も含まれていて有用。なにげに一番推したいのが80年代のライブ音源を凝縮した『アンプラグド・ライブ』かな。生音で濃密な彼の音世界を体感できる作品で、ライブだとナメてかかると痛い目に遭う。