/ American Classic ( BLUE NOTE / 2009 )
最近またまた更新が滞り。部屋の大改造に結構な時間を食ってしまった。コレクターの方ならお判りだろうが、大量のレコ・CD・本を移動するのは実に難儀。収納した状態では感じられないのだけれど、動かすために一旦出すと、その量に我ながら圧倒される。うず高く積まれたレコで歩くスペースすらない。何晩も格闘してやっと椅子に座れた。
さて、今日は先月邦盤が出たばかりのウィリー・ネルスンの新作を聴いている。ウィリーと言えばアメリカでは北島三郎級の大歌手。カントリーのフィールドにいながらにして、1978年の『Stardust』の大成功以来、ジャズやソウル、スタンダードまでをも飲み込んで、不滅のアメリカン・クラシックスを作り上げてきた。
さて、本作はブルーノートからのリリース。枯れに枯れて円熟した歌声を、しっとりとしたジャズ・アレンジで聴く文句なしの盤。しかもM-1”The Nearness Of You”、M-2”Fly Me To The Moon”、M-3”Come Rain Or Shine”(ブルージーで最高)…といったジャズ・スタンダードばかりってんだから、悪いわけが無い。2003年にリリースされたウィリーのライブ盤『Live And Kickin’』(クラプトン、ポール・サイモン、レオン・ラッセル&レイ・チャールズ、スティーヴン・タイラー、ワイクリフ・ジーンなどなどと共演)でも歌声を聴けた歌姫ダイアナ・クラール、ノラ・ジョーンズがそれぞれM-4”If I Had You”、M-8”Baby, It’s Cold Outside”でデュエット。ノラなんかはカントリーに片足突っ込んだ立ち位置がウィリーと近くていい感じ。そう言えば、”Baby, It’s Cold Outside”って、映画『ネプチューンズ・ドーター(水着の女王)』を観た時に、おぉコレかって感動したのを思い出す。
マット・デニスのM-9”Angel Eyes”、M-11”Since I Fell For You”も抑制された歌声が素晴らしい。ラストのM-12”Always On My Mind”はエルヴィスが歌っていたことでロック・ファンにもお馴染みだけれど、ウィリーもかつて、歌ってヒットさせたことがあった。セルフ・カバーってイマイチな場合が多いけれど、コレはとても良い。
ミュージシャンにはジョー・サンプル、アンソニー・ウィルスン、クリスチャン・マクブライド、ルイス・ナッシュらが参加。プロデュースはトミー・リピューマ!
ウィルトン・マルサリスと共演した昨年の『Two Men With The Blues』もオススメだ。