/ No Place To Fall ( Victor VIZP-68 / 2008 )
J.D.サウザーのメーリングリストに入っているんだけれど、10月にダウンロード限定で初のライブ盤が出るとの事。ビートルズに負けず、オールド・アメリカン・ロックも気になる作が色々と。ジョン・フォガティのThe Blue Ridge Rangersの続編(ドン・ヘンリーとティモシー・B・シュミットを従えた”Garden Party”が入っている)とか、スティルスのライブ盤&マナサスの未発表曲集だとか。気になるなあ。ジミー・ウェッブと息子達ウェッブ・ブラザーズの共演作ってのもあるし。マッタク金がかかります。
そう言えば去年こんなのも買ってたな、というビル・チャンプリン久々の新作。シカゴからとうとう脱退したと言う話が伝わってきているけれど。まあ、元々サンフランシスコの名バンド、サンズ・オブ・チャンプリンのフロントマン。近年はサンズの再編盤なんかもリリースされたりしたけれど、結局は演りたい音楽を演りたいということなのだろうか。シカゴへの加入が彼のキャリアを輝かしいものにしたことは確かだけれど。
で、この新作はソウルフル、ブルージーな彼の個性を存分に発揮した作。最近のライブのDVDなんかを見ると、流石に高音が苦しくなった部分もあったりするのだけれど、レコーディングでは殆んど気にさせず、強靭なノドを披露。シカゴの呪縛からは離れられなかった部分もあり、M-9”Look Away”のリメイクも収録。コレは従来のシカゴ・ファンに向けたものであろうけれど、ビルがソロで好んで演っているアクースティック・ヴァージョン。ダイアン・ウォーレンの名曲、ヤハリ素晴らしい。
ブルース・ガイチとの共作M-3”The Truth”はTOTO風で好感触。デニス・マトコウスキーとの共作M-6”Lookin’ For You”もゴスペルライクながら売れ線な作り。さらに、M-7”Never Been Afraid”がトドメかな。ビルとアンドレアス・カールスンの共作バラード。ビルじゃないボーカルが聴こえたと思いきや、マイケル・イングリッシュ。しかも、サビではピーター・セテラがコーラス、ギター・ソロはスティーヴ・ルカサーってんだから狙った一曲。コレも結局シカゴの呪縛なんだけど、ファンには嬉しい。同じくチャンプリン・カールスンの作、M-11”Never Let Go”はビルが参加した企画アカペラグループ、カリフォルニア・オールスターズを髣髴とさせる多重コーラスが気持ち良い。
付属のDVDもアリ。殆んどがインタビューだけれど、サンズのライブ演奏が1曲(”Gold Mine”)入っていて。
図抜けた作ではないけれど、なかなか。