/ STEP TO MY WAY ( Elec 10 / 1976 )
昨日は友人のフォーク歌手、松田亜世くん(http://homepage1.nifty.com/asei/)のワンマンライブへ。西荻のTerraというハコ。共演はさだまさしのバックバンド、亀山社中のギタリストだった坂元昭二(先日ライブに足を運んだガロのマークと一緒に今年はツアーを回るとのこと。http://d.hatena.ne.jp/markrock/20090118)と、浜崎あゆみ等のサポートをしているというバイオリニスト多ヶ谷樹。澄んだ歌声で綴られる迫力のあるフォーク・サウンドに圧倒された。毎回少しずつバンドのスタイルを変えてライブを披露してくれているのだが、今回も飽きさせない仕上がり。今年はフルアルバム『おかえり』もリリースされるとのことで大注目!SEではチューリップの名曲“千鳥橋渋滞”のカバーが流されていたりもして。日本のフォークを真摯に継承・進化させている彼の音楽性には感服する。末永く応援していきたいと思う。
http://asei.cocolog-nifty.com/blog/
http://www.myspace.com/asei
さて、今日紹介するのはとみたいちろう。エレックの中でも余りマトモに再評価されていない印象がある人。一方アニメ界では別格の扱い。Mojoとして“ダイナマン”だとか戦隊モノの多くを歌ったり、作曲したり。そうそう、CMでは小林亜星作曲の“パッとさいでりあ” を歌っていたことでも有名。
“12時のシンデレラ”を収録したファースト『Take1』と共にこの『STEP TO MY WAY』も先だってCD化されたので、今では入手は容易。個人的にはLPしか持っていないけれど。本作はチャーこと竹中尚人がギターにアレンジに大活躍している点が注目。なにしろ鳴瀬喜博、佐藤準、藤井章司、金子マリというスモーキー・メディスン組が顔を揃えているわけで。藤田大土がアレンジした曲もある。
A-1”始まり”は、吉田拓郎を思わせるフォーキーなバンド・サウンドが愛おしい名曲。A-3”雨”は1976年という時代性もあるのか、切なく迫るシティ・サウンドが悪くない。チャーのギター・プレイが突出。A-4”My Honey Baby”は意外にもジャジーな仕上がり。ヘビー・ロッキンなA-5”黒い車”を経てB面、B-1”今宵限りのロックンロール”はアコギ・ハープと精緻なドラミング、激しいエレキが絡み合うという、異種格闘技的な作。とみたの歌唱力に脱帽。この曲の作詞を手がけているのは、B面の数曲で作詞・作曲に加わっている龍。エレックのレーベルメイトだった「竜とかおる」の龍だ。そう言えば「かおる」こと伊藤薫は欧陽菲菲“ラブ・イズ・オーヴァー”を作ったことで知られている。B-2”あんたみたいになる前に”はディラン・スタイルの皮肉な弾き語り。その龍の作ったB-3” R&R列車 (ロックンロール・トレイン)”は“下北のジャニス”こと金子マリとデュエットしたアクースティック・ブルーズ。熱い仕上がりでファンは必聴!
雑多な楽曲と、とみたの絶唱についていけるファンは一度聴く価値はあるだろう盤。