先日、私のブログのコメント欄をふと見てみたら、なんと、なぎら健壱さんご本人らしき方から書き込みが。2010年に書いたライブ評と、元・歌のおにいさん、坂田修さんとのフォークマン・ブラザーズを取り上げたページだった(http://d.hatena.ne.jp/markrock/20101201)。「ライブ来て下さい」とあったから、行かないわけにはいかないでしょう!ということで、スケジュールを調べてみると、となり町・吉祥寺マンダラ2で定例ライブがあるじゃありませんか!早速予約しまして。私の大切な音楽パートナー・馬下さんとも偶然タイミングが合いまして、一緒に行って参りましたよ。いつまでもあると思うな式で、行ける時にライブは行かなきゃいけませんね…
泣く子とオリンピックにゃ勝てぬ、じゃないけれど、いつもに比べるとお客さんは少なめだったのかな。それでも花粉症(とは一生認めない、とおっしゃってましたが)をものともせず、ゴキゲンなホンキー・トンク・下町カントリーを聴かせてくれました。毎月フラッと行きたくなる居心地の良い空間で。歌の合間の喋りはもう落語の名人芸ですね。馬下さんは「すべらない話」に出た方が良いと言っていたけれど、そんな感じで。先日お亡くなりになった大杉漣さんのことにも触れていて、もちろんその名の由来になった高田渡のご子息・高田漣さんの、一般人には到底知りえぬエピソードもあった。
バンドのオウンリスクはとても良い。アメリカのカントリー(イギリスならパブロック)ならではの、よそゆきの部分のない気さくなサウンドにほっこり。カントリー、フォーク、ロック、ウェスタン・スウィング、演歌、ロカビリーをごった煮で料理する。それにしてもペダルスチールは桃源郷ですね。ホソノさんのバンドとかと、辿り着いている場所は実は一緒なのかもしれない。『この夜に…』からの曲が多かったけれど、個人的にはライブで聴いたことがなかったので、嬉しかった。さらに、40周年アルバムにして最高傑作『夜風に乾杯』(http://d.hatena.ne.jp/markrock/20121201)からの曲に加え、初期の「舟が出る」とか、「トラック・ドライビング・マン」、そして「あの娘にヘッドロック」も盛り上がりまして。「四月十日の詩」はここ数年の鼻歌第1位なので、今度は聴いてみたい。
なぎら健壱としての濃ゆいタレント性に覆い隠されているけれど、正統派フォーク・シンガーとして、民衆に歌い継がれてきた楽曲を、愛情篭めて歌い継いできたその姿勢には敬意を表したい。近年だと演歌師のレパートリーなどを取り上げた『裏技』も名作だった。
そんなこんなで、終演後にブログの件を確認すると、やはり書き込みはご本人で。私のアルバムもお渡ししつつ、編曲をやってくれた元・竜とかおるの佐藤龍一さんのお話をしたら、まだ現役で頑張っておられることを驚いてもいた(かつての「龍」さんのイメージが強くて、結びつかなかったみたい)。なぎらさんともども、元エレックでしたよね。そして、最近CD化された『春歌』も持参して。
コレは発禁盤だとか怪盤だとか、色々言われてますが、はちみつぱいや洪栄龍のスラッピージョーをバックに、全国から採集した春歌を歌った、フォークウェイズ並のお仕事。持参したこのLPジャケットを見つけると、前に座っていた方から、「これ、高いですよね〜ディスクユニオンとかで凄い値段付いてますよ!」と話しかけられて。その口調にレコード・クレイジーとして何となく同じ匂いを感じたんですが、ライダー俳優の半田健人さんでした。これまた後でちょっと調べてみると、ライブでなぎらさんの「葛飾にバッタを見た」を歌っておられるとのこと。超イケメン・ライダー俳優・半田さん、最高すぎますね!