/ 武蔵野フォークジャンボリー ‘85( RCA / 1986 )
1985年の吉祥寺フォーキー達の同窓会公演を収めたモノ。吉祥寺バウスシアターでのライブ。手元にあるのはVividから再発されたCDだが、もう廃盤になってしまっているようだ。中身は濃くて素晴らしい。時代的に言えばフォーク冬の時代。とはいえ、70年代だって80年代だって90年代だって根本的には全く変わらなかった彼らがなんとも微笑ましい。
メインの出演者は遠藤賢司、なぎら健壱、斉藤哲夫、大塚まさじ、渡辺勝、中川イサト、高田渡。”ぐぁらん堂”なんてキーワードで括れそう。
しょっぱなからエンケンのエレキ弾き語りで”東京ワッショイ”と”満足できるかな”。続く”カレーライス”はアクースティック、という動と静は近年のステージも変わらない。なぎら健壱は、坂田”おさむお兄さん”修とのフォークマン・ブラザーズで初出となった”フォークシンガー”を。武蔵野タンポポ団のメンバーでぐぁらん堂のマスター、村瀬雅美がベースで参加。ホロッとさせるユーモアが実に上手いが、ピー音が入る。
斉藤哲夫はレコーディングがなかった時期でもあり貴重。弾き語りで”ダンサー”、”恋をしよう”、バンドで”オー・スザンナ”の3曲を。フォスターの”オー・スザンナ”はタンポポ団的選曲ながら、かなり80代的なアレンジ。しかし声のハリなんかは尋常じゃないな、と。大塚まさじ”シャバダバBaby”は友部正人と大塚との共作。渡辺勝は近年も聴ける独自のジプシー・ソング風世界観を既に構築、”The Summertime Killer”を演っている。目玉は故・高田渡かな。草野心平の詩に曲を付けた”朝の夜の会話”はかくしゃくとした弾き語りで。”こいつは墓場にならなくちゃ”、”私の青空”はバンドで収録。
さて、13曲目の”オー・スザンナ”から”私の青空”、なぎらの”朝までつきあってやるぜ”、ラストの”プカプカ”までは豪華セッションバンドにて。メンツを見るとギターは中川イサト、松本典明、渡辺勝、ラップスティールに村上律、マンドリンは高田渡、ベースに村瀬雅美、コーラスは中山ラビ、友部正人、山本コータロー、サスケ、海援隊の千葉和臣、などなど…という。双子のフォーク・デュオ、サスケのお二人など、私が20歳くらいの頃、似付かわしくないがお台場でジョイント・ライブをやったこともあり、名前を見つけてなんだか懐かしくもなった。