いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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 田代友也 

markrock2010-05-03

/ 今、この時から… ( Onion Records ON-2201 / 1975 )


こりゃ、モノホンのフォークシンガー!ジャケットを開くと、岡林風の髭面。今でもフォークシンガーとしての活動を行っている田代ともやのファーストだ。プロデュースはなぎらけんいち。ローヤル・レコード傘下のオニオン・レコードなんて所から出ているんだけれど、所謂マイナーレーベル的なものなんだろうか。


なぎら自身、カントリー・タッチ全開のA-1”今この時から”にアコギとハーモニーで、B-2"激しい雨"にアコギで参加。また、B-1”夢がさめなけりゃ”、B-6”だからこの朝街を出る”の2曲を提供している。他には渡辺勝が2曲にピアノ参加。


結構危ない曲も入っていて。「あなたとやりたいと思うのですが 準備はよろしいのでしょうか」などと言い出すA-3”おやすみ前”にビックリ!生まれつき足が不自由だが、精一杯階段を登らんとするB-3”石段の戦い”などもレコード収録を巡って物議を醸したようだ。衝撃的だった。


同時期のニューミュージックに傾斜していく音楽シーンからすると時代遅れとみなされただろう音だが、今聴くと、アコギ、ハーモニカにスティールが実にいなたい風情で、アメリカのルーツ・ミュージックへの深い愛情を感じる。隠れた名盤だ。