いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

f:id:markrock:20190212213710j:image
いしうらまさゆき へのお便り、ライブ・原稿のご依頼等はこちらへ↓
markfolky@yahoo.co.jp

[NEW!!]2022年12月23日発売、バディ・ホリー・アンド・ザ・クリケッツ 『ザ・バディ・ホリー・ストーリー』(オールデイズレコード)のライナーノーツ寄稿しました。
購入はココをクリック
f:id:markrock:20221230235618j:image

The Chambers Brothers / Unbonded ( Avco /1973 )

markrock2018-03-06


チェンバース・ブラザーズというと1968年のヒット、”Time Has Come Today”のイメージ。サイケデリック・エラの空気を吸って、白人音楽であるロックと黒人音楽であるソウルをミクスチャーして。プロデュースはデヴィッド・ルービンソン。その時代、コロンビアから何作か出しているけれど、今の日本ではあまり人気がないのかな。オリジナル米盤、マトリクス初期でもたいてい1000円しないという印象。

その理由を考えてみると…当時の白人マーケットをターゲットにしていたグループだから、売れたものの、うるさ型のソウル・ファンはそこまで熱心に追いかけなかったのではないだろうか。そして白人ロックのファンは普段あまりソウルを聴かないから、宙ぶらりんになって。でも、この2枚組に入っているフィルモア・ライブ『Live at Bill Graham's Fillmore Eastなんて、ジミヘンみたいでなかなか熱い。

とはいえ後年Avcoでアルバムを出していたことは、これを見つけるまで知らなかった。1973年の『Unbonded』。Avcoといえばスタイリスティックスでしょうか。甘ったるい白人向けのフィリー・ソウル。そちらも大好きだけれど、チェンバース・ブラザーズの方がガッツがある感じ。しかし選曲がえげつない。シュープリームスの”Reflections”やインプレッションズの”Gypsy Woman”はいいとして、ザ・バンドの”The Weight”、ビーチ・ボーイズの”Good Vibrations”、さらにはラヴィン・スプーンフルの”Do You Believe In Magic”まで演っている。しかも割と、オリジナルに忠実に。元々白人リスナーを意識してカバーの多いグループではあったけれど、ここまでやらせたたのは一体誰か、と思えばプロデュースはジミー・イエナー。やってくれますね。エリック・カルメンラズベリーズやスリー・ドッグ・ナイト、そしてグランドファンクやベイ・シティ・ローラーズにも関わった彼でした。