いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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Karla Bonoff

markrock2008-02-15

/ Live ( 2007 )


カーラ・ボノフの2枚組みライブ。思わず手に取ってしまった盤。完成度が高く、時折聴いている。2005年には渋谷のライブハウスDuoにも出演したが、その際の音源も1曲収録。


カーラは寡作の人。リンダ・ロンシュタットに曲提供したことがキッカケでブレイクした人だが、現在まで出しているオリジナル作は『Karla Bonoff』『Restless Nights』『Wild Heart Of The Young』、しばらくぶりの『New World』の4作。90年代に入ってから幻のブリンドル再編(アンドリュー・ゴールド、ウェンディ・ウォルドマン、ケニー・エドワーズと組んだ)でも2作出している。


今回のライブではケニー・エドワーズ(リンダのバックバンド、ストーンポニーズのメンバーだった)がプレイヤーとして参加。ブリンドルで聴かせたアコギとピアノを貴重にしつつも、イナタサの残らない都会的洗練はここでも堅持される。


1曲目のM-1”I Can’t Hold On”から清涼なウェストコーストサウンドが耳を撫でる。M-3”If He’s Ever Near”M-4”Isn’t It Always Love”なんてバラードも胸を打った。なんて変わらぬ伸びやかな歌声。久作中心で、70年代〜80年代前半にかけてのリンダ・ロンシュタットのファンにも十分にアピールする内容。実際、観客もそれを求めているのかも。


2枚目の冒頭、M-1”All My Life”はリンダがアーロン・ネヴィルと共演して大ヒットした名ボーカル作『Cry Like A Rainstorm』に収録されたもの。『New World』で自身のヴァージョンを初めて聴いたとき、感動が体を貫いたのを覚えている。純粋な音楽的感動を味わえる盤。


ちなみにカーラがアコギを弾いている曲もあるが、それは一寸意外。