/ ベストコレクション「歌祭り」3( 自主 / 2007 )
今年も色々ライブに足を運んだわけだが、後半で印象に残ったのは35年振りの日比谷野音ライブを実現させた岡林“御歌囃子”信康の「狂い咲き2007」か。NHK−BSでも「次回はパンパースを忘れずライブに来よう」みたいなトークがカットされてはいたものの放映され(ちなみにトークのオモロさは格別。これが往年のフォークシンガーか、と思わずにいられなかった)、足を運べなかったファンもその熱狂は追体験することができたハズ。マスコミ嫌いか公式ホームページも無く、大々的な活動を避けてきた彼が、孫も生まれ、日本橋の“御歌囃子”なる居酒屋での不定期ライブ演奏も話題になってきた今日この頃に、心境の変化があったのか。
演奏はエンヤトットものが当然素晴らしかった。ただし、三味線などの和楽器を野音で拾うとなると限界もあり、音全体が閉じた、割とミニマムな音像に収まっていたきらいもある。とは言え、“ウチらのロックンロール”であるエンヤトットのリズムに自然と身体が動き出すのが実に心地良かった。西洋のロックを日本語で表現することに格闘した男が苦しみ抜いて編み出した音楽だと言うことも忘れて。
ちなみに、岡林の『ストーム』をプロデュースしたこともあった加藤和彦と坂崎幸之助の「和幸」も寒い中、最後まで会場にいたのを目撃したのだが、坂崎氏、終始ポール・サイモンはどうのジョージ・ハリスンはどうのと、テレビと同じマニアっぷりでしたヨ。
さて、基本は会場で手売りしているベスト盤。2001年から計3枚出ていて、“山谷ブルース”、 “流れ者”、“自由への長い旅”といった過去のヒット曲のアクースティックな再演、メジャーで録ったエンヤトットものの再録を織り交ぜた構成になっている。今年出たばかりの3枚目には、M-6“今日を越えて”の再録(サンボマスターとの共演も記憶に新しい)、岡林が作った微笑ましい校歌M-8“上林小学校校歌”、M-12“虹の舟歌”、M-1“御歌囃子ソーラン”などを収録。出来は文句なし。
ちなみに会場では『御歌囃子 参上!』なるエンヤトット・ベスト盤も売っていた。こちらから全て買える模様↓
http://www.art-life.ne.jp/artistgallery/artist_top.php?artist_id=A0026