/ Bar Starlight ( テイチク / 2006 )
紅白出場も決まった演歌・歌謡曲界の売れっ子作曲家の自演盤。親に捧げたM-12“吾亦紅”(離婚を報告する歌詞がビビる)が有線でジワジワ売れ続けて、オリコンでも20位以内にランクインってんだから大したモノ。
小柳ルミ子“お久しぶりね”“今さらジロー”、小林旭“惚れた女が死んだ夜には”、因幡晃“忍冬”、桂銀淑“ベサメ・ムーチョ”なんてのが知られたところ。しかし、杉本眞人表記ならまだ馴染みもあろうもんだが、ヒラガナじゃ「誰や」って話。和田アキ子が土下座したのも致し方ないのかも。
しかし、ジャパフォーク・フリークには『遠路遥々』『30のバラード』『あすふぁると』という70年代半ば〜80年代前半にかけてのソロ盤が知られているところ。ただし、割とヒット性に乏しく、ボーカルの弱さも目立つ仕上がりであった。
しかし、すぎもとまさと名義での本盤の仕上がりは、別人と思えるほど。ソウルフルな喉は大阪歌謡に通ずる所も。曲のクオリティも申し分ない。
前述の紅白出場曲以外では、M-2”星空のトーキョー”、ちあきなおみ提供曲のセルフカバーM-5”紅い花”、石川さゆりが歌ったM-13”転がる石”が注目すべき出来。M-13では生ギターが良く録れていて、新井英一の歌謡曲カバー集を思い出した。ボーカル含めて似た音。破壊的なジャパディスコM-3”ドスコイ・ダンシング”も一聴の価値アリ。
ちなみに、提供曲を自演した『かもめの街〜杉本眞人作品集』は大名盤。強いて言えば“忍冬”未収録が痛いところ。