/ To Make The Night Complete ( jmh records / 1976 )
インディアナの700WESTもの。1976年リリースの作品だが、CDで聴いてみると自主臭が漂っていて、メジャーレーベルものの洗練とは一線を画している。ただし、Pre-AORテイストを求める向きには実にタマラナイ音。曲の色彩には正直バラツキもあるが、一曲一曲の完成度は素晴らしい。まずポップなピアノのフレーズに導かれるM-1”My Music”はポール・マッカートニー的センスを感じる佳曲。M-2”With Nobody Else Around”やM-6”A Song For Jude”はマイケル・ジョンソンを思わせるまろやかなアクースティックAOR。ポップカントリーM-5”It Never Hurts To Cry”やM-8”You’re But A Dream, My Lady”もなかなかのフォーキー名曲。M-3”Because That Someone Is You”はエレキの音が哀愁AOR。A-4”You Might Think I’m A Stranger”みたいなピアノバラードもあったり。ラストのタイトル曲M-11は割とジャジーなバラード”To Make The Night Complete”。うーむ。これにしても一曲だけで見ると完成度は高いのだが、何度も言うようだがアルバム全体を通して聴くと、余りにもとっ散らかった印象が否めない。マアこれもSSW〜AORへと衣替えを余儀なくされる自作自演歌手の「過渡期」を象徴しております。