/ Same ( Columbia CS9941 / 1970? )
俳優ケヴィン・ベーコンと兄のマイケル・ベーコン。二人は1994年にベーコン・ブラザーズを結成。ルーツミュージックに根ざしたオルタナティブ・カントリー・サウンドはアメリカでも評判になっていたわけだが、なんと今年12月、ブルーノートに来ていたとは!全く知らなかった…。もちろんファンはケヴィン目当てなんでしょうけれども、アメリカンSSWファンにはジェイムス・テイラー・ライクなマイケル・ベーコンの諸作、見逃せないものがある。
さて、本作はそのマイケルのデビューのきっかけとなったバンドGood Newsの唯一作。彼ら、なんとワイト島フェスにも出演している。メンバーはマイケル・ベーコン(ギター・ボーカル)とラリー・ゴールド(ベース、ヴィオロンチェロ)の二人。作曲も2人が手がけており、作詞は全編マレイ・ゴールドマンの手によるもの。クリスチャン・ミュージック作品なのだが、冒頭A-1”Open The Gates”からアクースティックなSSWものを好む向きにはタマラナイ音。
中でもマイケルのナイーブなボーカルを好む身としてはA-2”Speakin’ The Unknown Tongue”やB-4”Friends Of Friends”なんかにグッと来てしまう。この美声、現在まで維持しているのだから凄い。ヴィオロンチェロの伴奏に合わせたA-3”Wine Of Astonishment”も聴きモノ。
さて、本作に次ぐナッシュビルでのソロ2作には『Bring It Home』(1973)、『Love Song Believer』(1975)がある。(後者については以前レビューを書きました→http://d.hatena.ne.jp/markrock/20050507)
ベーコン・ブラザースのベスト作はと言えばやっぱり『Forosoco』(1997)か。コレはかなり良い。アコギの音色が全編を彩る。旧知ロブ・ガルブレイスがプロデュースで参加しているのも見逃せない。ビーチ・ボーイズっぽいコーラスがCSNっぽく聴こえてしまうギター賛歌M-1”Old Guitar”から既に60〜70年代のルーツに忠実。マイケルの震えたソフト・ヴォイスで70年代のソロ作に収められていても違和感の無い楽曲を弾き語るM-7”Memorize”なんかも、時が止まります。ケヴィンも結構上手いのだが、音楽的にしっかりした兄の存在あってこそのデュオだと思い知らされる。マイケルのチェロも効果的なジェイムス・テイラーのカバーM-11”Rainy Day Man”も良い。同じくロブ・ガルブレイスがプロデュースに参加した『Getting There』(1999)も佳作。エヴァリーのメドレーなんかもボーナスで収録している。
ちなみに下記はオフィシャルサイト。ケヴィンに合わせてマイケルもかなり「若作り」で頑張っています。
では皆様良いお年を!!
(ベーコンブラザーズ オフィシャルサイト)
http://www.baconbros.com/home.html
(マイケル・ベーコン オフィシャルサイト)
http://www.michaelbaconmusic.com/