いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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Livingston Taylor / Life Is Good ( Pony Canyon / 1988 )

markrock2006-12-15



とうとう行くことが出来ました!リヴィングストン・テイラー来日公演。実は数年前に行き逃がして以来、ずっと悔やんでいたもの。リヴ・テイラーさん、アメリカを代表するシンガーソングライター、ジェイムス・テイラーの弟であり、ケイト、アレックス、ヒューという他の兄弟妹3人もそれぞれ佳作をリリースしているという音楽一家の一員でもある。何しろジェイムスにギターを教えたのはリヴ。ギタープレイの妙も楽しみの一つであった。

6回目の来日。場所は渋谷のJz Brat。最近流行の団塊の世代向けのオトナなハコです。とにかく至近距離で見れるのがヨシ。ステージが始まってみると、とにかく温かいステージ。おどけたしぐさで客を絶えず笑わせるユーモアは数々のライブ盤でも知られているが、これほどのモノとは。バークレーで“ステージパフォーマンス”という講義を担当しているそうだが、全くその通りのエンターテイナー。しかも、ギター&ピアノの弾き語り、とにかくウマ過ぎる!フィンガーピックをつけて“テイラー”のアコギを弾いてましたが、教則ビデオ出すだけあって凡SSWとの違いを見せ付ける。そして、声。CDやレコードで聴く限りではジェイムスよりもくぐもった所があって、そこが又ほんわかと和み空間を演出してくれているわけだが、生で聴くととんでもない声量!高音から低音まで七色の声を使い分ける芸達者っぷりにもノックアウトされた。

まずは新生リヴのスタートを切った1988年の名盤のタイトル曲”Life Is Good”から。基本的には新作『There You Are Again』(レビューは→http://d.hatena.ne.jp/markrock/20060331参照)からのナンバーが殆ど。年を経た男女の友情を描いた”Best Of Friends”、ゴスペル風の名曲”Yes”のピアノ弾き語り(コレ、ほんと圧巻でした)とか、”Step By Step”、”There You Are Again”、”Blame It On Me”などなど。新作の出来の良さが改めて伝わってくる。

さらに兄ジェイムスとの変わらぬ兄弟愛を思わせる瞬間も。6回の来日が叶うリブのことを羨ましがったジェイムスからの伝言だよと”Carolina In My Mind”を演った時はジェイムスが脳裏に。でも、リズムの取り方なんかに注目すると、ジェイムスの方がフォーク的というか、ベタッとした弾きっぷりなのに対し、リヴは割とソウルっぽいリズムの取り方をしていたのが印象的。終始テンションコードばっかりで何のコードかわからないことも多かったが。ジェイムスとリヴの個性は厳密には違う。それでもジェイムスっぽい歌い回しが顔を出したりする辺り、血は争えませんね。さらに、最近クリスマスアルバムが一般発売されたジェイムスの宣伝も兼ねていたのか、そっくりの歌声で”Have Yourself A Merry Little Christmas”を歌ってくれたり、ジェイムスとデュエットしたパット・アルジャー作”City Lights”を一人でしっとり聴かせたりも。

その他にはネタ化している(最近日本発売されたライブ盤『持込音源』にも収録)スティーヴン・ビショップの”On And On ”(大サビのハイノートを観客に歌わせる)、意外な”Blackbird”のカバーもリヴにかかると彼の味。カバーで光る個性ってのはケニー・ランキンなんかとも被る。ラストに差し掛かる頃には初期の代表曲“Carolina Day”、”Get Out Of Bed”(ピアノで)、”Over The Rainbow”を。涙です。文句ナシ…

バックステージで会ったリヴもステージそのものの温かさ。サインペンを走らせながら、一人一人に言葉をかけてくれる。個人的にはリヴの『Life Is Good』は高校生の時に出会って人生を救ってくれたとさえ思っている一枚。リヴの声がいつも心を安らげてくれたこと、リヴが現在住んでいるボストンに昔住んでいたことなどを伝えると本当に嬉しそうだった。又日本に来て下さいね!

似た雰囲気のライブ↓
("Life Is Good")
http://www.youtube.com/watch?v=K3uFZyVDXNY
("Step By Step")
http://www.youtube.com/watch?v=zyFxlvIfNzA