/ Solo ( Flight Records / 1981 )
ミネアポリス、というともう一人思い出されるのがスコット・ジョーンズ。今手元にあるのは1981年の3枚目、『Solo』と1982年の4作目『Night & Day』。いずれも、”Funky Town”の大ヒットを出した同郷人、リップスのスティーヴン・グリーンバーグがプロデュースに当たっている。リップスの所属していたカサブランカ傘下(?)のレコード会社から出たローカル作と推測する。ちなみに1978年の『Roads』がデビュー作。2作目は1979年の『Side By Side』。『Side By Side』と言うと、古井戸の過渡期作をつい想起してしまう。。
今ネットを見ていてビックリしたが、意外と高い値付けをしているレコード屋がある模様。海外から買った方がまだ安いのでは?個人的には各々700円と100円で入手。以後何度かそれ位の値で見かけたので、焦らずとも日本のどこかに落ちている盤と思う。何しろ4作目のジャケなど、安物のニューウェーブ盤みたいでカスの匂いがプンプンだし。
しかし、知っている人は知っているでしょうが、実にデキたSSW盤。取り合えず『Solo』ですが、コレ、ピアノ弾き語り良し、アコギ弾き語りもまた良しの大名盤。時代性とは無縁なのが、ミネアポリスSSW!!ピアノ弾き語りもの(例えばA-1”I Wish There Was A Word”やA-2”It’s Only My Imagination”)はランディ・エデルマンやフランク・ウェーバーの世界。A-1のメロには割とエイティーズ映画に似合うロマンティックな感傷アリ。また、B-3”If Love Has Broken Your Heart”なんかでは、ジャクスン・ブラウンを思わせる青春の苦味も。ギター弾き語りものだと、オープンチューニングで掻き鳴らすA-3”Can You Spare Me A Smile”やスリーフィンガーのフォーク調B-1”What Can We Do ?”などが耳に残る。ボーカルの抑制と鼻にかかった感じはちょっとマイケル・ジョンソン及びマーク・ヘンリー的とも言える。ミネソタの凍えた朝の空気感を詰め込んだアコギのソロプレイB-3”25 Below”など、まさにマーク・ヘンリーな感じ。同じ質感を生む地域性というのは興味深い。
4作目『Night & Day』は数曲でバックが付いている分、『Solo』と比べると魅力は減じられてしまっているが、ピアノSSWものと見ればなかなかのクオリティ。B面はおそらく地元のクラブでのライブ録音なんだが、B-3”Golden Oldies”の冒頭ビリー・ジョエルの”Just The Way You Are”を歌いだしたり、途中”The Entertainer”(これはビリーじゃなくスコット・ジョプリンの方)や”Those Were The Days”のフレーズが飛び出したり、その他にもイロイロと芸達者な所を見せてくれる爆笑ライブ。こちらが本当の色か。
P.S. 全然関係ないが、YouTubeでジョン・セバスチャン & フレンズ名義の"You And Me Go Way Back"というヤバイ映像を発見!なんとギターがロジャーマッギン、キーボードがフェリックス・キャバリエール、ベースがアル・アンダーソン、ドラムスがリチャード・マニュエル!しかもロニー・スペクターとセバスチャン/キャバリエールのデュエットと言う!!殆ど知られてないこの映像は必見です、いやホント。。曲は'80風のファンキーなダンス曲。まあとにかくその豪華な布陣に息を飲みます。
http://www.youtube.com/watch?v=0F_L_m4lJ40&search=john%20sebastian