/ Same ( Muskrat Records RATCD-4352 / 1977 )
ここの所急激に冷えていたためか、不覚にも風邪をひいてしまった。週末に悪化し、ただただ寝太郎。情けなや。
共にCD再発された『クワイエット・コーナー』が注目のジェフ・ハリントン。ミネアポリスのSSWと言うことで、もてはやされております。今回は彼の名を冠した2作目。残念ながら彼の最後の作品となっている。
1作目と比して、よりグルーヴィーになっているのがM-1”Smilin’ Again”でもよくわかる。スティーヴ・イートンのレアなセカンドを聴いた時に近い感慨。でもあっちの方がモロなLAの音でしたが。それよりはもっと人肌を感じる温かい感触も。ジェフも地に足をつけていて、声を張って歌ってないのがいい。ピアノを核にしたバラードM-2”Older Men”に続くM-3”Moonlight Shuffle”はライブ感のあるファンキーAORの趣きで結構カッコイイ出来。サックスが熱い!さらにボッサ風M-4”Caught You”ではムーグのクレジットを見てビックリ。Rick Petersonとはジャズ・フュージョン畑のピアニスト、リッキー・ピータースンに間違いない。初期のセッション作。彼もミネソタ出身なのでした。ちなみにリッキーの1990年のアルバム『Night Watch』はビル・ラバウンティの”Livin’ It Up”なんかを歌っていてAOR定番。さらにここからB面ですが、M-5”How Many Lovers”はマイケル・ジョンソンもボーカル参加し、彼の世界に近いマイルドなバラード。ホッと一息。そして小粋なジャズテイストM-6”Kiss-A-Me-Ooo”は予想外のキラー曲。良い。静謐なピアノに任せて訥々としイントロに導かれたM-7”Drunks And Fools”(これはアル・クーパー降臨)、パーカッシブな展開に驚かされるM-8”You Will Repair”で幕を閉じる。最後まで意外性があって、彼にとって結構意欲的な盤であったことが伺える。しかし、時代はボズ位の変わり身を必要としていたわけで、彼がその後消えてしまったのも致し方なかった。でも、SSW達が転向を迫られていた頃、亜米利加の片田舎でひっそりとこんな盤がリリースされていたことに思いを馳せると、なんとも愛おしい。