/ Sailboat ( Warner 3020 / 1977 )
フォーク・カントリーのSSWで佳作の多いJonathan Edwards。本作は外部ソングライターの楽曲を多く歌いこなしたことで、SSWファンからは良く思われていない作だが、出来は良い。青い海が広がるジャケそのままの爽やかな気分になれる、ジェシ・ウィンチェスター作A-1“Blow On Chilly Wind”ではハーブ・ペダースンのバンジョー&コーラスが決まっている。ハーブは当時エピックレコードの所属で、佳作『Sandman』を残している。(ジェシ曲では他にA-5”How About You”、B-5”Let The Rough Side Drag”を選曲) A-2”Evangelina”はHoyt Axtonの作で、エミルー・ハリスが清楚なコーラスを添えている。トロピカルなタイトル曲A-3は自身の作でいい感じ。これもエミルーがコーラスでサポート。カーティスのA-4”People Get Ready”は個人的には大好きな一曲だが、これが、アコギのストロークで切々と歌っていて素晴らしい。ジョナサン自身のハーモニカもいい味。こんなにいいならもっと早くこの盤を買っておけばよかった。B面にいくと自作の軽快なカントリーロックB-1”Girl From The Canyon”が。ここでもハーブ・ぺダースンのバンジョー&コーラスが絶妙。B-2”Weapon Of Prayer”はルービンブラザーズのブルーグラスナンバー。エミルーのボーカルに加え、Albert Leeがマンドリンで参加している。B-3”Never Together(But Close Sometimes)”はロドニー・クロウェルのヒット性のある一曲で、同年にソロデビューしたロドニー自身がアコギで客演している。カーターファミリーのCarlene Carter 1978年のデビュー作にも収録されていて、そちらはヒットを記録した。ちなみにロドニーのワーナーからのソロデビュー作にも、(本盤にも参加している)エミルー・ハリスやアルバート・リーが参加している。何しろ本盤もロドニーもエミルーも当時のプロデューサーはBrian Ahern。Albert Lee 1979年の名盤『Hiding』でもBrian Ahern、エミルーが参加していて、ロドニー曲を選曲。しかもJonathanの本盤と同じくルービンブラザーズのカバーが収められていた。B-4”Carolina Caroline”もほっこりと温かく切ないミディアムバラード。駄曲が皆無という作りがウレシイ。カバーを入れても個性は揺らいでいない。