/ Time To Fly ( Decca DL 7-5329 / 1971 )
久しぶりに取り出してみた、デビッド・ポメランツのセカンド。アリスタに移籍してからはAORの文脈で扱われることも多いのだけれど、ファーストとセカンドはSSW名盤。ファーストではポール・サイモンのゲスト参加が珍しかったけれど、セカンドはチャーリー・カレロが手がけているところが目玉。のっけから小粋なピアノとジャジーな展開に耳を奪われるA-1”First”が。掴みはOK。A-2”Father Thoughts”ではオーケストレイションも入ったり、71年と言う時代性を考えると早すぎる個性。A-3”Mr.Middle’s Summertime”はピアノマン風情の隠れた名曲!ピアノ弾き語りのA-4”City Show”に次ぐA-5”Dagger”はひたすらジャジーなブルーズ。そう言えば、参加陣を挙げるてみると、ピアノにチック・コリア、ヤン・ハマー、ギターにジョン・ホール、ジョン・トロペイ、デヴィッド・スピノザ、トランペットにランディ・ブレッカー、テナー・サックスにジョー・ファレル、ドラムスにビル・コブハム・ジュニアという、ジャズ畑の面々が見て取れるのも注目。本盤を品良く仕立てている。
B-1のタイトル曲”I Need To Time To Fly”はAOR時代の楽曲にも連なる壮大な作。ファルセットがきれいなアクースティック・グルーヴB-2”A Fine Woman”も堪らない。ブルージーなアウトロ付き。ジョン・セバスチャンみたいな和み系B-3”We Love Just Fune”をはさみ、組曲B-4”Hideaway Suite PartI Part II”。ラストはオーケストレイションが入ったピアノ・バラードB-5"Day Prayer"。アート・ガーファンクルなんかが取り上げてもおかしくなかったと思ったり。そう言えば1980年の『The Truth Of Us』(http://d.hatena.ne.jp/markrock/20061226)はS&Gを手がけたロイ・ハリーがプロデュースに加わっていた。