/ You’re Only Lonely ( Columbia / 1979 )
J.D.サウザーことJohn David Southerの来日公演、初日のセカンドステージに行って来た。場所は六本木のビルボードライブ東京。しかし終演23時ってのは、次の日に響きますな流石に…
さてさて、長らく隠居状態だったJDだが、イーグルス久々の新曲にJDのファーストから”How Long”が採り上げられたり、ソレに合わせた初のベスト盤がリリースされたり(それまでは、非売品のプロモ盤でのみベスト盤が存在した→http://d.hatena.ne.jp/markrock/20061218)、さらには24年ぶりの新作『If The World Was You』(http://d.hatena.ne.jp/markrock/20081019)が昨年リリースされたり。まさにココゾという状況での今回の来日。
セットは予想外の弾き語り(ピアノ&アコギ)。新作に合わせたジャズコンボかと踏んでいたので少し驚く。まあ、AORな人になってしまっているけれど、そもそもはモロにフォーク/カントリーが地の人だし当然か。取り急ぎセットリストは以下の通り。入念なチューニングの後、ギブソンのアコギを弾き語るんだが、結構ミストーンが多かったりで荒っぽい。でもソングライターとしての力量は只者ではないなと改めて。ハスキーな歌声も、円熟しきっていて。裏声と地声が自然に推移するあたりなんかが堪らない。ピアノは結構お上手で、新作からの”A Chorus Of Your Own”なんかのジャジーなアプローチがカッコ良かった。
選曲はロングブランチ・ペニーホイッスルは流石に無かったけれど、ファーストから最新作まで満遍なく。やはりAOR世代には、ソニー(Columbia)からリリースされて日本で持て囃された『You’re Only Lonely』に格別の想いがあるらしく、収録曲には一際大きな拍手が送られていた。この作品、ロイ・オービソンの”Only The Lonely”のオマージュであるタイトルソング(豪華ゲストがバッキングを務めたロイの復活ライブ『Black & White Night』にもJDは参加)をはじめ、本家フィル・エヴァリーにハーモニーをつけて貰ったまさにエヴァリー・ブラザーズへのオマージュ”White Rhythm And Blues”という、オールディーズへの憧憬を顕わにした盤。大滝詠一がロンバケの元ネタにしている。
イーグルスものも盛り上がった。”How Long”はもちろん、イーグルスの面々と共作した”New Kid In Town”やアンコールでの”Best Of My Love”なんてのはイントロで既にグッと来てしまった。さらに個人的には、「ディキシー・チックスが歌ってくれた」なんてMCがあったけれど、”I’ll Take Care Of You”に感動。遥か昔、恥ずかしながらライブで演っていたこともあり… この曲のカバーを収録したディキシーの『Wide Open Spaces』はそれにしても名盤だった。
J.D.SOUTHER Billboard LIVE TOKYO 2009.1.28(Wed) ( Pはピアノ Gはアコギ)
1.I’ll Be Here At Closing Time(G)
2.Simple Man, Simple Dream(G)
3.White Rhythm And Blues(G)
4.Journey Down The Nile(G)
5.Jesus In 3/4 Time (P)
6.Out To Sea(P)
7.Run Like A Theif(G)
8.Silver Blue(G)
9.Banging My Head Against The Moon(G)
10.Baby Come Home(open tuning G)
11.How Long(G)
12.Border Guard(G)
13.All I Want(G)
14.New Kid In Town(G)
15.A Chorus Of Their Own(P)
16.I’ll Take Care Of You(P)
17.Prisoner In Disguise(G)
18.In My Arms Tonight(G)
19.You’re Only Lonely(G)
(Encore)
20.Best Of My Love(G)
ちなみにYouTubeでも最新ツアーのJDの映像がいくつか拾える。”Doolin’ Dolton”を歌うJDの貴重な映像もあったりして(http://jp.youtube.com/watch?v=oPiJdlwqWqw)。