/ Oo-Wee Little Children ( B&J Music / 1993 )
バンキー&ジェイク。ファンなら周知だろうが、タートルズの”Happy Together”などのヒット曲を書き上げたコンビ、アラン・ゴードン&ゲイリー・ボナーが在籍したマジシャンズのメンバー、ジェイク・ジェイコブスが黒人女性歌手バンキー(アンドレア)スキナーと結成したデュオだ。これは1993年久々の再結成作。グリニッジ・ヴィレッジのフォーク・シーンが蘇る佳作。ジョン・セバスチャンの色を求めるファンなら歓喜すること間違いない。
プロデュースはピーター・ゴールウェイ。演奏もバンキー&ジェイクとピーターの3人。子供向けの楽曲ながら、25分間、全く飽きることのないゴキゲンな音。冒頭のグッドタイミーなタイトル曲M-1”Oo-Wee Little Children”のデュエット・シンギングで既に来るものがあるわけだが。華麗なアコギのイントロに導かれるM-2”The King Who Watched Too Much T.V.”はピーターやリヴィングストン・テイラーなんかを思わせるハネもの。バンキーがしっとり歌うM-3”One Mighty Tree”やM-7”Think For Yourself”の心温まるフォーキーさも捨て難い。バンキーのラップも聴ける軽快なM-4”Bing Bong The Subway Song”やM-6”If I Was”の打ち込み、当時ピーターがプロデュースしていたデヴォンズスクウェアなんかを思い出す。M-5”What Is Rich”はマンドリンタッチのイントロからしてフォーキーな佳曲。エヴァリーズを思わせる二人のハモは完璧。R&BっぽいM-8”Why Me”、カリプソタッチのその名もM-9”Calypso Cat”を経て、ラストはジェイクの弾き語りM-10”Lullaby Of The Train”が。こんなライブが観たいもの。
手元にあるのは2004年にCD化されたものだが、裏ジャケもないという自主復刻の簡素なフォーマット。まあいいんだけど。バンキー&ジェイクの2枚はかつて日本でCD化されたが現在は廃盤。ファーストはFalloutから再発されていて、現在でも入手可能。『L.A.M.F』も自主復刻されていてCdBabyで入手できる。あとはジェイクのソロだが、こちらはまだ未CD化。ポリドールからの1st『Jake and the Family Jewels』、Jake with Family Jewels名義の2nd『Big Moose Calls His Baby Sweet Lorraine』もなかなか良い盤なのだが。まあこちらもまたの機会に取り上げようかと。