いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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Jose Feliciano

markrock2006-05-08

/ High Heel Sneakers His Greatest Hits ( AIM 1504 / 2005 )


GW後、なんとも重苦しい。7日に”お別れ公衆電話”で知られる「お恵ちゃん」こと松山恵子さんが亡くなったとの報。特大ドレスももう見られない。

さて、本日Amazonより届いた盤。なんでまたホセ・フェリシアーノのベスト盤、という風にも思われるかもしれないが、コレ、おそらく90〜00年代のライブから選りすぐったベスト曲2枚組のお徳盤になっており見逃せない(ライブとはいえ観客の拍手などはカットされているので新録盤としても聴ける)。盲目の弾き語り歌手としてのデビューから何しろ40年余りの時を経て、卓越したギタープレイと、ボリュームのあるボーカルは益々迫力を増す一方。何といってもドアーズをカバーして大ヒットした“Light My Fire”が忘れられないが、ラテンをベースにしながらもソウル、フォーク、ジャズを吸収した高い音楽性の元に聴かせる演奏はアレンジ一つとってもオリジナルとは別モノ。全く古びていない。当時の映像を観た際、わけもなく涙が出たのが忘れられない。本当に凄い演奏を聴くと涙が出るものなのだと初めて知らされたのが彼。

Disc1の14曲はポピュラーヒット曲サイド。”Light My Fire”、ママパパのカバー”California Dreamin’ “、さらに”High Heel Sneakers”、The Beatles ”In My Life”、Sam Cooke “You Send Me”、そして ”Chico & The Man”といった定番曲から、John Lennonの”Jealous Guy”、Elton Johnの”Daniel”なんかも。ジョンとエルトンのカバーでは声色をうまく掴んでいる辺り、凄まじい耳の感度を思い知らされる。珍しい所ではRichard MarxのAOR定番バラード”Right Here Waiting”がとても良かった。さらに、圧巻だったのは”Mystery Train”、”Mule Skinner Blues”というロカビリー曲の解釈。とにかく圧倒的なドライブ感で迫る。ガットギターの速弾きソロも見もの。全盛期のエルヴィスを見るような様、大迫力です。

さらにDisc2はラテンサイド。”La Bamba”からジプシーキングスで御馴染みの”Bamboleo”まで先輩風を吹かせつつさらっと演る。言語は違えど、すごくゴキゲンな音。ポピュラーの世界で成功した彼ならではのアク抜きはしっかり。

この盤、日本語盤も出ている模様。最後にホセの必聴レコードを紹介しておく。CDでは妙な編集盤ばかり出ているのが気になるが、60〜70年代には名スタジオ盤LPも数多い。”Light My Fire”を含む1968年の『Feliciano !』、1969年のライブ盤『Alive Alive-O』、スティービー・ワンダー ”Golden Lady”のカバーが収録され、フリーソウル界隈でも注目された1974年の『And The Feeling’s Good』は外せない。その他にも1969年の『Souled』なんてのもある。『And The Feeling’s Good』なんかはフリーソウルものがもてはやされた時期は3000円を上回る値がついていたものだが、ホセを単なるポピュラー歌手と十把一絡げに分類してしまっている昔ながらの中古盤屋を覗くと500円位で売っていたりして、随分な話だなあと思ったものだ。