/ On The Shoreline (MCA-2299 /1977)
鮮やかな海とヨットが、70年代半ば〜後半の作品として、開放的でカラッとした明るい音を想像させるが、Al Kooperプロデュース作ということでさらに注目。しかしのっけから場違いな感じの”Oh How Happy”をソウルフルな、というよりもハードロックばりの線の細いハイトーンで歌い上げ、リスナーを置いてけぼりにさせるが、自作のA-2 ”One Kind Woman”では落ち着いたゴスペルタッチの(A-1ともそういう意味では繋がるのか)壮大なバラードを展開。間奏がなんともAl Kooperらしい。続くA-3もゴスペル風のコーラスが耳をひき、これもなんともAl Kooper好みな感じ。雰囲気の違うフォークタッチのA-3 “Elijah”は自作ではないが、サビになると、またまたゴスペル風コーラスが。これらはRon Hicklin Singersによるもので、聴きとおすと全編にフィーチャー。まろやかなタイトル曲A-5はSteve GibsonのアコギのアルペジオとAlのギターソロがいい感じ。B-1 Eric Andersonの“Sheila”ではSneeky Peteのペダルスティールも登場。またB-2 “Country Lady”はPeterとAlの共作で感動的な仕上がり。やはりこの盤、Al Kooperのギター、ピアノ、オルガン、ミニ・ムーグなどでの全面的協力が聴き所か。Peter-Johnの個性はイマイチ見えてこない。