/There You Are Again ( Chesky Records(Coconut Bay) JD307 /2005 )
ホンワカ、リヴさんの新作を。毎回完成度が高い彼の作品だが、今回はJTの作品と似たテイストで、割とお金をかけた感じのプロダクション。でもアコギの音もちゃんと聴こえて個性は維持。鼻にかかったテイラー一家の声色はほんとズルイ。アレックスはちょっとシャウターっぽかったが、リヴ・ジェイムス・ケイト、そして末弟ヒューはやはり兄弟。さらにはジェイムスとカーリーサイモンの間に出来た息子、Ben Taylor(http://www.ben-taylor.com/)もJTソックリの声を持っているし、娘Sally Taylor(http://www.sallytaylor.com/)もレコードデビューしたり、まあとにかくテイラーブランド強しですね。
本作もM-1”Best Of Friends”からテイラーブランドの絆を感じさせてくれて、なんとリヴと兄ジェイムスの先妻Carly Simonとのデュエット。しかしこういうデュエットが実現しちゃうアメリカのあけっぴろげな感じというか、こんなことしていいのかっていうオープンさがいい。M-2”There I’ll Be”はジェイムスのアコギとコーラスで、スティーヴ・ガッドがドラムスで、リー・スクラーがベースで参加し、ジェイムスの近作に近いつくり。でもヒューマンなリヴのボーカルがある限り彼らしさを失わない。M-3”Yes”もガッドのドラムスでシマッた音。かつての『Life Is Good』の頃を思い出させてくれて、こういう音と相性いいですね。M-5”Step By Step”はゴスペルタッチ。前にBill Withersをカバーしたりしてましたが、ソウルフルな素地もあります。タイトル曲M-6は現在の自分を慈しみたくなるような愛情伝わるバラード。M-8”Tell Jesus”は実力派グループTake Sixがサポートしたものでアカペラの妙味を堪能出来る。M-9”Blame It To Me”やM-11”Wish I Were A Cowboy”は最近多かったフォーク〜カントリー調の弾き語り主体の音。和ませてくれる。後者にはVince Gillがエレクトリックギターで参加。M-10”My Perfect Chiristmas Day”には、クラプトンがカバーしたWyonnna Judd ”Change The World”の共作者の一人、Tommy Simsがベースで参加していた。弾むようなリヴ風ポップソウルだ。ラストM-12”You’re The Boss Of Me”は彼のライブ盤『Snapshot』を思い出させるノリ。とにかくラストまで一気に聴いてしまえる快作!
ちなみにプロデューサーGlenn RosensteinはTalking Headsの諸作でアシスタントエンジニアを務めていた人物。ミックスはGeorge Massenburgだ。
P.S. 友人から借りた貴重なリヴさんのギター教則ビデオ『Livingston Taylor’s Excellent Guitar Lesson』(Homespun / 1998)は流麗なギタープレイのみならず、”I Will Be In Love With You”の弾き語りなんかも聴けて、知られざるファン必見の一本!!