*[コラム] 久々のフラッシュ・ディスク・ランチへ
昨日は久々に下北沢へ。かつての自分がそうであったように、今も20代に愛される街なのだとわかる。とにかく人が増えたことも改めて実感。しかし、かつては戦後のヤミ市の風情があった駅前の再開発…色々な思い出を消してしまうようで、街の風景にもなじんでおらず、汚くてひどいなと思った。最近のJRや私鉄の無機質な制服のような駅舎ってのも何なんだろう。この辺のインフラに関わる企業や行政の、昭和的なセンスのなさに何とかの一つ覚え的コストカットの合理主義を掛け合わせた産物…これが日本の将来を絶望的な方向に連れていく予感がある。お金がないならセンスで勝負できればまだしも、なんだけれど。
そんなこんなだから、久々のフラッシュ・ディスク・ランチがいつもの風景でとても安心した。まあ最高のレコードばかりでございました。半年ごしでとうとう半額カードを投入して、普段買えないものに手を出す。ホリーズのファースト、英国盤イエロー・パーロフォンのモノ・オリジナルってのはやばい音でした。ビートルズのファーストに引けを取らない、マージービートのマスターピース。アーサー・アレキサンダーの"You Better Move On"、それに"Mr.Moonlight"のカバーがあるのもビートルズと同じ産湯に浸かったセンス。このファーストは大学生の頃にCDで英国盤が続々再発されたので、ピーター&ゴードンやジェリー&ザ・ペースメイカーズともどもよく聴いた。グレアム・ナッシュのクレジットに「leader」とあるけれど、確かにこのジャケ写では明らかに大写しでリーダー面している。
あとはフォーチュンズの1965年デッカからのファーストの英国盤オリジナルってのも素晴らしい音だった。イギリスものは英オリジがやはりエグイほどに良い。
その他にも、パースエイジョンズのアカペラ好盤『We Came To Play』とか、日本盤EPのイメージが強すぎたジャケのブラザーズ・フォーの定番『The Big Folk Hits』(コレもコロンビア2eyesのオリジ!)、アイザック・ヘイズのビリー・ジョエルやジェイムス・テイラーのカバーが入っている『For The Sake Of Love』、ワーナー・ゴールド・レーベルのオリジでジェイムス・ダーレンの『All』(なんと300円)、クリス・クリストオファスンの『Jesus Was A Capricorn』(多分持ってるけど、もはや我が家のレコ山から探せない…)、キャステルズ/ホンデルズのチャック・ジラードが作ったイーグルス+ビーチ・ボーイズのようなクリスチャン・カントリー・ロック・バンドLove Songのセカンド『Final Touch』(これはなぜかまだ出会えていなかった)などを選んだ。レコードを聴いているだけで、もはや他には何も要らないという気持ちになれる。