いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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Pastors / Same ( Alithia / 1973 )

markrock2017-11-27




ソフトロックの有名盤とは言い難いけれど、かなり洗練された完成度の高い盤。楽曲、アレンジ、歌唱が揃えばこのクオリティになるけれど、それに加えてLPの音が音圧高めで熱い音なのがなおよい。

この3人組の男性ボーカル・トリオ、パスターズだけれど、ジャケ記載のライナーを読むと、トニー・パスター(イタロ系アメリカ人のサックス奏者・ノベルティ歌手)の息子達であるようだ。ニュージャージーのマイナーなソウル・レーベルAlithia Recordsからのリリース。Alithiaは調べてみると、私も好きな囚人ソウル・グループのエスコーツとか、バーバラ・ジーン・イングリッシュとか、その辺りのレコードをリリースしていた。



で、そこに白人2世トリオじゃあ分が悪いかと思いきや、黒っぽいノドをもったシンガーもおり、ソウル・レーベルからのリリースというのもうなずけたり。ただ、基本的には流麗なアレンジによるソフト・ロック作。1973年というソフトロックにしてはちょっと遅いリリースも、カルト化した理由かな。しかしキャット・スティーブンス(今年9月に新作『The Laughing Appleをリリースした!)の”Wild World”をボッサにしたりと、ルー・トビーのアレンジが素晴らしい。他にもポール・ヴァンス作、トーケンズが演っている”She Let’s Her Hair Down”、ランバート・ポッターの2曲、極めつけはポール・ウィリアムズロジャー・ニコルズの黄金コンビでモンキーズも演った”Someday Man”の最高のヴァージョンを収録。あとはアメリカ(ジェリー・ベックリー)の”I Need You”とムーディー・ブルースの” Isn't Life Strange”、ニルソン(ピート・ハム&トム・エヴァンス)の”Without You”をメドレーで繋げるというウルトラCも!