いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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markfolky@yahoo.co.jp

[NEW!!]週刊ダイヤモンド2020年12月5日号の佐藤優さん(作家・元外務省主任分析官)のブックレビュー 知を磨く読書第372回 に『哲学するタネ 高校倫理が教える70章【西洋思想編①】』が取り上げられました。
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[NEW!!]「読者たちの夜会」(2021/1/14 LOFT9渋谷) 2020ベストビブリオバトル にて、哲学芸人マザーテラサワさんが『哲学するタネ―高校倫理が教える70章【西洋思想編1・2】』を取り上げてくれました。
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[NEW!!]評論家・映画監督の切通理作さんが店主を務める阿佐ヶ谷・ネオ書房の読書会を開催します。
哲学を学び直したい人のために ネオ書房【倫理教師・石浦昌之ライブ読書会】 12月20日(日) 18時半開場 19時開演 高校倫理1年間の授業をまとめた新刊『哲学するタネ 西洋思想編①』(明月堂書店)から、西洋哲学の祖、ソクラテスを取り上げます。 内容 ◆ フィロソフィア(愛知)とは? ◆「無知の知―汝自身を知れ」 ◆問答法はディアロゴス(対話)の実践 ◆「徳」とは何か? ◆プシュケー(魂)への配慮 ◆善く生きることとは? 入場料1200円 予約1000円  予約kirira@nifty.com
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[NEW!!]『哲学するタネ】――高校倫理が教える70章』【西洋思想編1】【西洋思想編2】が2020年10月20日に2冊同時刊行!!。
『哲学するタネ】――高校倫理が教える70章』【西洋思想編1】【西洋思想編2】2020年10月20日発売
●石浦昌之著
●定価:西洋思想編1 本体2000円+税(A5判 330頁)(明月堂書店)
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●西洋思想編2 本体1800円+税(A5判 300頁)(明月堂書店)
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honto西洋哲学 1位・2位に2冊同時にランクインしました(2020/10/25付)

【書評掲載】
週刊ダイヤモンド2020年12月5日号 佐藤優さん(作家・元外務省主任分析官)のブックレビュー「知を磨く読書 第372回」

2020年7月31日発売『URCレコード読本』(シンコー・ミュージック・ムック)に寄稿しました(後世に残したいURCの50曲 なぎらけんいち「葛飾にバッタを見た」・加川良「教訓1」・赤い鳥「竹田の子守歌」、コラム「高田渡~永遠の「仕事さがし」」)。
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ohno tomokiとダニエル・クオンによるデュオ「x-bijin」初のアルバム『x-bijin』(2020年6月26日発売)、リリースインフォにコメントを書かせてもらいました。
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「halfway to a hosono house?」 ohno tomokiとダニエル・クオンによるデュオ 「x-bijin」、ほぼ宅録による初のアルバムは、甘美なペダルスティールにのせてダニ エルが滑らかなボーカルで歌いこなす桃源郷ポップス。遠藤賢司に捧げた「グレープ フルーツ」からして初期松本隆を思わせる日本語の美しさが際立つのはなぜだろう? はっぴいえんどとポール(・マッカートニー)が産み落としたタネは、ジム(・オルーク )と出会ったペンシルヴァニアで果実となり、多摩産シティ・ポップのフレッシュジュ ースに姿を変えて、甘酸っぱい喉ごしと共に僕たちの前にある。(いしうらまさゆき)
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11月15日発売のレコードコレクターズ12月号に加奈崎芳太郎『キッス・オブ・ライフ ジャパニーズ・ポップスの50年を囁く』(明月堂書店)の書評が載りました。
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編集・ライターを担当した加奈崎芳太郎著『キッス・オブ・ライフ ジャパニーズ・ポップスの50年を囁く』(エルシーブイFM「加奈崎芳太郎のDIG IT!!」書籍化)が2019年8月に発売されました。
●加奈崎芳太郎著・桑畑恒一郎写真
●定価:本体3000円+税
●A5判(上製)416頁(明月堂書店)
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【メディア掲載】
『毎日新聞』2019年10月3日掲載 「元「古井戸」加奈崎芳太郎さんが本出版 音楽活動50周年の集大成」
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『長野日報』2019年9月25日掲載 「音楽文化で伝える戦後 パーソナリティのFM番組まとめ 加奈崎さん書籍刊行」

極北ラジオ石浦昌之の「哲学するタネ」が書籍化されました。
『哲学するタネ【東洋思想編】――高校倫理が教える70章』(石浦昌之 著)2018年10月10日発売
●石浦昌之著
●定価:本体2500円+税
●A5判(並製)384頁(明月堂書店)
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【書評掲載】
『情況』2018年秋号 田中里尚(文化学園大学准教授)「教えられぬことこそ語り続けなければならない―石浦昌之の実践について―」
『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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【ブックガイドに掲載されました】
斎藤哲也『もっと試験に出る哲学――「入試問題」で東洋思想に入門する』(2020年、NHK出版新書)

 ジャック・テンプチン来日

markrock2016-01-31


グレン・フライの死に際して、彼の主要な共作者でもあり、かつてグレンやジャクソン・ブラウンJ.D.サウザーとLAで共同生活を送っていたというジャック・テンプチン(http://jacktempchin.com/)が偶然にも初来日ツアー中で。これは最終日1月26日の下北沢GARDEN公演行くしかないよな、と急に思い至って、チケットを取ってしまった。日本人にとってみれば、1976年の建国200年のアメリカ・ブーム〜ウェスト・コースト・フィーヴァーとも相俟ってか、イーグルスは特別な場所に位置しているバンドだと思う。

ジャックはイーグルス1972年のファーストに”Peaceful Easy Feeling”が取り上げられた後、1976年にホンクのリチャード・ステコル、若かりしジュールズ・シアーとのバンド、ファンキー・キングス(『Funky Kings』)でアリスタからデビュー。

さらにバンドの前にソロ・デビューの話もあったというジャックのファースト・ソロ『Jack Tempchin』が1978年に満を持してリリース(”Peaceful Easy Feeling”の自演版を含む)。その後イーグルスが解散し、ドン・ヘンリーとの不仲が囁かれたグレン・フライの共作者としての活動が主となっていった。


ソングライターとしてのキャリアで大成功を収めた一方、1990年代以降は自身のソロ作品もいくつかリリースしていて、個人的にはぽつぽつ買っていた。(After The Rain』『Staying Home』『Songs』とか。どれも良かった。)、昨年2015年には新作『Learning To Dance』をリリース。ライブまでに聴こうと思って注文したけれど、これは結局届かずじまいだった。

さて、ライブは前半がジャックの世界や音楽的背景を理解するための、五十嵐正さんとのトーク・ショー、後半がライブ、というボリュームたっぷりの構成。正直、はじめのトーク1時間は長すぎるかな〜と心配したけれど、結構楽しめて、こういう親切なサーヴィスも時にはありかな、という気がした。



ジャックのキャリア、戦後の典型的なロックンロール世代の体験談で。覚えているところで言うと、オクラホマオズの魔法使いマイ・フェア・レディというミュージカルの産湯に浸かり、ブルーズにも影響を受けて(ミシシッピ・フレッド・マクダウェルミシシッピジョン・ハート、リヴァーランド・ゲイリー・デイヴィス、ソニー・テリー&ブラウニー・マギー…)ブルーズ・ハープを演奏するようになって。さらにディランやハリー・ベラフォンテの登場によるフォークブームでサンディエゴのフォーク・シーンの顔役となり、そのフォーク・クラブの1つでドアマンの職にありついたのが若き日のトム・ウェイツだった、なんて。トムは終演後のクラブで、ジャックが新たにお店に置くことを決めたピアノに座って練習をはじめて…なーんて『Closing Time』のジャケの世界観のエピソードも。そしてその頃、デュオ、ロングブランチ・ペニー・ホイッスルとしてグレン・フライJ.D.サウザーがサンディエゴにやってきて意気投合。

後に成功を求めたジャックがサンフランシスコからLAに辿りつき、トルヴァドールに出演できるようになった頃にはロングブランチ・ペニーホイッスルのステージにブルーズ・ハープで飛び入りしていたみたい。そしてイーグルスのデビュー前、最高の歌と曲、メンバーで頂点に立つ最高のバンドを作るんだぜ!とグレン・フライが大言壮語をぶっていた頃、ジャクソン・ブラウンの家でジャックが弾いた”Peaceful Easy Feeling”のテープをグレンが持ち帰ったことがイーグルスのファーストに収録されるきっかけだったとか。確かに大言壮語の割にオリジナルの持ち曲が少なかったイーグルスだったし、グレンは良い曲を見つけてアレンジするセンスに長けていたから絶好の出会いだったのかな。J.D.サウザーのファーストに収録されていた”How Long”を2007年にイーグルスが再演した時も、グレンのセンスに舌を巻いた。JDのファーストの収録曲のうち、この曲に注目していた人をそれ以前に知らなかったから…

グレンと初めて共作したうちの1曲”The One You Love”(もう一つの初共作は”I Found Somebody”。)からムーディにスタートしたライブ。ジャック自身のブルーズ・ハープがサックス・ソロをうまくなぞっていて、流石元ハーピスト、と思ったり。それにしてもイーグルス解散後のグレン。汚れたロックンロール・バビロンの中でたった1人になって、お酒もたしなまないマジメで謙虚なジャックと一緒なら、音楽に夢中だったあの頃の純粋な何かを取り戻せると思い至ったのかもしれない。ジャックのソングライティングの才を買っていたことや音楽性の近さ、デビュー以前からの縁もさることながら。でも、共作のお誘いがあってジャックが訪ねた際、高級ワイン2本と、この後プレイメイトが来るのかと勘違いしたほどの無数のキャンドルでムード作りをしていた、というのが笑えたな(音楽の女神、ミューズに捧げるキャンドルだったらしい…)。

グレンとの共通項、もう一つは二人共夢中になったリズム&ブルースでしょう。ジャックのファーストはアラバマ・マッスル・ショールズ産だったし(ピート・カーのプロデュース)、共作が5曲収められたグレン・フライのファースト『No Fun Aloud』にもマッスル・ショールズ録音が含まれていた(フランキー・フォードの”Sea Cruise”のカバーなんて最高で!)。ジャックも、パーシー・スレッジアレサ・フランクリンと同じボーカル・ブースに入れた喜びを語っていた。



その後のライブは数曲でポール・ウィリアムスという、マンドリン・プレイヤーが加わった他は主にギブソンJ-200の弾き語りで。楽曲はジャックの音楽性、つまり亜米利加音楽の全てが入っているようで興味深かった。スリー・フィンガーやディラン・スタイルなハーモニカとストロークで聴かせるフォーク・タッチ、エレキに持ち替えスライドも交えたブルーズ(”Bender”や”Loneliest Piano In Town”)や、ソウル、カントリーまで。新曲の雰囲気はブルース・スプリングスティーンが作りそうな曲にも思えたから、ホストが五十嵐正さんということにも十分頷けた。もちろん盛り上がったのはイーグルスへの提供曲”Peaceful Easy Feeling”やロブ・ストランドランドとの共作” Already Gone”(酒の飲めないジャックが、ロブと楽屋でいつになく飲んでしまい、3つのコードで15分で作ったとか…)、”You Belong To The City”や”I Found Somebody”、”Smuggler’s Blues”、”The Girl From Yesterday”などグレンとの共作曲の自演だった(グレンの死を受け、これからは自分が歌い継ぐ、と言葉少なに語っていたのも印象的で)。

さらに、ジョニー・リヴァースが大ヒットさせた”Swayin’ To The Music(Slow Dancing)”も素晴らしくて。個人的にはジョニーのヴァージョンで好きになった曲。何でも今まで連れ添っている奥様シェリルさん(ファンキー・キングスでコーラスをやっていた、と言っていたような…コレは記憶に自信がありませんが。)に捧げた曲なんだとか。時流に流されない彼らしく、とっても素敵だな、と。ファンキー・キングスのアルバムの1曲目”Singing In The Streets”も嬉しかったし、クリス・ヒルマンとハーブ・ペダーセンのデザート・ローズ・バンド!への提供曲”You Can Go Home”も涙ちょちょ切れる懐かしさで。あとはジャクソン・ブラウンリンダ・ロンシュタットのデュエット版もライブ音源で存在しているという”One More Song”(ランディ・マイズナーのアルバムのタイトル曲になった)の自演も素晴らしい出来だった。ヌボーとしたピッチの甘い歌声のイメージがあったジャックだけれど、近年のライブ活動のせいか歌声に自信が満ち溢れ、声量も十分。大男によるマコトに大迫力のステージだった。今、2枚のアルバムを制作中で、内1枚はまだレコーディングしたことのない提供曲を集めたものになるようだから、”One More Song”もきっと入ることと思う。

いやはや、改めて聴き直しているけれど、カントリー・ロックという音楽。従来は3コードだとロックンロールになるか、カントリー(あるいはフォーク)になるか、だったわけだけれど、その中間を取ったということ。つまりメロディアスなカントリーのメロディを歌いながら、ロックンロールのリフを注入して腰のあるビートを叩き込むという発明に今更ながら感嘆してしまった次第。ちなみにジャックのライブの雰囲気はDVD付属のCD『Live At Tales From The Tavern』(2012)でほぼ追体験できる。