お陰様で新作CD、細々とではありますが、温かい反応を頂いており、本当に励みになります。どんなものでもそうですが、世に出るまでは、受け入れられるだろうか、とか、色々不安があるものでして…
国分寺・立川の老舗レコード店の珍屋さんでは素晴らしいレビューを書いて頂いたり(http://blog.livedoor.jp/mezurashiya/archives/52043064.html)、シンガー・ソングライターの宮 武弘くんがFMおだわらの自身のラジオでオンエアしてくれた上に、色々な話をしてくれたり。そうそう、朝日新聞の記者でライターの近藤康太郎さんからは「”無の季節”が、やはりしみました。よかったころの高石ともやを思い起こしました。」なんて有り難いお言葉を頂いたり。
そして、最新9月号のレコード・コレクターズ誌を読んでいたら、うわぁ〜!なんとニュー・アルバム・ピックアップで取り上げていただけているではありませんか!もうこういうのは涙が出そうになりました。中学生の時から読み続けている雑誌ですから…音楽評論家・小川真一さんの「たぶん君は時代を変えられないかもしれないけれど、でも僕は君のことずっと好きでいるよ。」という言葉で、全てが報われる思いがしたのです。
芽瑠璃堂さんでは6曲入りのボーナスCD-Rが付属した限定盤が好評発売中です!トピックでも取り上げて頂けました。ぜひまだの方は手にとって頂けたら嬉しいです!
芽瑠璃堂↓
http://www.clinck.co.jp/merurido/dtl.php?ky=MASH002
詳細↓
http://d.hatena.ne.jp/markrock/20140521
・Allman and Woman
/ Two The Hard Way ( Warner/Lost Diamonds / 1977 )
最近レコード9、CD1、みたいな買い方になっていたけれど、これはすぐ買っちゃいました。グレッグ・オールマンと美魔女シェールのごくごく短かかった蜜月時代の共演盤。こういう別れちゃった夫婦盤というのは、なんとも気まずいからか、CD化されない場合がある。日本だと、”つなき&みどり”とか、”マイクと美波里”、”井上順之とエミ”とかそういう小っ恥ずかしい類がありますけれど。一時期結構探していたことを思い出した。意外と日本では出てこなくて、e-bayでもそこそこの値段だったりするし。
これ、噂通りのAOR好盤。ボズ・スキャッグスにせよ、南部ロックもとろけていた時代。1977年リリースですから。たいてい数曲はいなたいやつが入っていたりするものなんだけれど、割と通してAORで聴けるかな。プロデュースは2曲を除きジョニー・サンドリン(&グレッグ)。タイトルも良い。オールマン&ウーマン、なんて上手いですね。再発CDの方はWoman(Cher)とか書かれていてちょっと野暮。
そんな風に通してAORで聴けるというのも、夫婦の企画盤らしくグレッグの自作は無く、ライターも粒ぞろいを集めていて。2年後にデビューするベックメイヤー・ブラザーズによる”Move Me”とか、アラン・ゴードン”I Found You,Love”(バーブラ・ストライザンドの『Superman』収録曲)、マイケル・スマーザーマンの”Can You Fool”、ちょっと”Saturday In The Park”風のコード進行の”I Love Makin’ Love To You”はイーヴィ・サンズの自演もある名曲、そうそう、サンフォード&タウンゼンドの”In For The Night”もある。そして、” Ilene Rappaport”名義の”Island”だけど、これはローレン・ウッドの変名で。
さらに、カバーが結構興味深くて。エルヴィスが歌ったリーバー&ストーラーの”Love Me”やブルーズ・スタンダードの”We’re Gonna Make It”から、ジャクソン・ブラウンの初期楽曲”Shadow Dream Song”(結構オリジナルに忠実なアクースティックなアレンジで)、そして60年代の白人ミュージシャンがレスペクトするスモーキー・ロビンソンの”You’ve Really Got A Hold On Me”まで素晴らしかった。その”You’ve Really Got A Hold On Me”でホーン&ストリングスのアレンジを務めたジミー・ウェッブの”Do What You Gotta Do”のカバーも最高の仕上がりだった。こちらにもウェッブ自身が参加している。ウェッブとシェールといえば、シェール1975年のソロ・アルバム『Stars』をウェッブが全面プロデュースしていた。そちらはウェッブ自身の曲が少なく、余りファンにも評判が良くないレコードだけれど、そこにもジャクソン・ブラウンの”These Days”が収められていた。
ちなみに演奏はウィリー・ウィークス、ビル・スチュワート、リッキー・ハーシュ、ニール・ラーセン、フレッド・タケット、ジム・ホーン、スコットー・ボイヤー、クライディ・キング…といった70年代ワーナーらしい安定の布陣。
そういえばグレッグ・オールマンの自伝映画、撮影中の事故で撮影中止になったというニュースが今年あった(http://www.cinematoday.jp/page/N0060988)。自伝『My Cross to Bear』だけでも、アマゾンで取り寄せてみようかな。