今日は楽器はやめてピックでも。アコギ弾きならピックの選択は重要。今までどれだけのピックを無駄に試してきたことか…1個100円って、基本プラスチックの小片だと考えてみると結構高いですよ。
薄い厚いというのも結局は好みになってくる。薄いピックだとレコーディングの際にカチャカチャうるさいけれど、初期ドノヴァンのようにそれも好みでありまして、それはそれでなんとも言えない。
私の結論はおにぎり型で薄くもなく厚くもなく、というもの。おにぎりは3方向で使えるから経済的だし、ライブなどでピックが手から滑っても、もう一つの角で弾けば音が変わらないしね。
その要望を全て満たしているのがヤマハの鼈甲柄ピック(左の3枚)。0.25mmのMedium Softという微妙な厚みが素晴らしい。ロッキンなストロークには向かないけれど、チャーチ・リックに一番合ったピックだと思う。適度にしなってくれるし、親指の腹に吸い付く感じが本鼈甲に次ぐレベル。
以前50枚くらい買い置きして、それを細々と使っていたのだけれど、こんな永遠の定番がどうやら廃番らしいのだ。そりゃないっすよ…ピック変われば音変わる、ですから。一体いつまで使い続けられるのだろう。ヤマハですら在庫がないとかでもうダメかと思っていたら、世田谷の経堂で在庫をまだストックしているという楽器店を見つけて。このピック、名前をシステムピックと言うらしく、どうもその楽器店には小売以外に楽器製造部門もあって、このピックの型を作っていたという噂。てなわけで、残っていたわずか30枚余りをなんとか手に入れて。かなりすり減るまで使い続けるタイプなので、これでしばらくは持つだろう。
で、右下は本鼈甲。ヤマハのおにぎりピックより一回り小さいが、実に指にフィットする品。固さもプラスチックとは訳が違い、どんなに激しくストロークしても全く削れることがない。よっぽど固いんだな。早いフレーズのソロを弾くのに使っている。まあでも1000円前後するわけで、到底ライブなどに持って行く気は起こらない。
あとはフォーキー・シンギングには欠かせないフィンガー・ピック。まずはサムピック、昔は革命的なYamahaの徳武弘文(Dr.K)モデルを使っていたけれど、じきにコレも廃番となってしまい。でも、先っちょが外側にフレアしたこのサムピック、余りに弾きやすく、音の粒立ちが良くなるものだから、各社が真似しましたね(それ以前はアーニー・ボールに代表されるスタンダードなサムピックを削って自分なりにカスタマイズするパターンが多かった)。で、写真のTerry Gould(Small)も真似したものの1つで、現在割に入手しやすいためよく使っている。Dr.Kモデルと使い味は変わらない。これよりプラスチックが分厚くなると繊細なアルペジオや3フィンガーでニュアンスを出すのが難しくなる。このニュアンス、ってのも実に日本的な感覚だと思うけれど、判る向きには判るでしょう。親指が太い人には、アメリカ製のサムピックも良いかもしれない。
最後は人差し指と中指に付ける金属製のフィンガーピック。USAのDUNLOP製のPAT PENI。.015と.020の2種類を持っている。これも指の形に折り曲げて使っている。弦に当たる角度を自然にするため、爪先は心持ち親指側にねじっている。コレを使うのはもっぱらギター・バンジョーを使う時。これの有無でボリュームが断然変わってくる。ワインド弦(巻き弦)に当たると弦にひっかき傷が付くので、ギター・バンジョーの1〜3弦はエレキ用のプレーン弦を使っている。
最後に下の写真。2段目はフラットマンドリン用の先っちょが丸まった分厚いピック。黄色い鼈甲柄はデヴィッド・グリスマン使用の”Golden Gate”。黒い方はDUNLOPのJAZZTONE 477R 207。ブルーグラス用の早いフレーズを弾いたり、開放弦を使わずにブラッシング気味のストロークをするのに向いている。ギターに使うと甘いソロに良いかも。普通にマンドリンの開放弦のストロークを弾くんだったら、ペラペラのギター用ピックで十分。トレモロもやり易いし。
右上は新星堂ロックインの50円ピック。エクストラハードで、ベース用として、減っても減っても使い続けている。最後に左上。実は、先ほど廃盤になったと書いたヤマハのシステム・ピックと全く同じ厚みで作られた他社製品。件の経堂の楽器店で発見。「琴」と印字されている。店員さんに、ヤマハの型で作ったんですか、って聞いたんだけど、「違います」って答えるばかりでにべもない。まぁ、コピー商品に当たるから大きな声で言えないのかもね。ただし、廃盤で泣いていた方には朗報かも!