/ Love And Learn ( Big Tree BT89523 / 1977 )
ビッグ・トゥリーというとドル箱でもあったイングランド・ダン&ジョン・フォード・コリーや彼らに曲を提供していたパーカー・マッギーなんかの心温まるカントリーポップの印象があるレーベル。このトム・パワーズもそれに魅かれて買った一枚だが、予想を上回る出来!時折なぜか聴きたくなってターンテーブルに乗せる盤だ。
まず冒頭A-1”Rise And Shine”から、ローラ・ニーロ”Wedding Bell Blues”を思わせるピアノのフレーズに導かれて煌びやかなバンドサウンドが飛び出し、そこにマイルドなボーカルが絡むというフィフス・アヴェニューバンドもかくやと思わせるポップ大名曲。ピアノを弾き歌うトム・パワーズをサポートするのはジョー・オズボーン、ケニー・マローン、スティーブ・ギブソンという布陣。弦ではバーゲン・ホワイトの名も見える。プロデュースはモチロン、というべきかカイル・ラーニング。優しいバラードのA-2”Thoughts of You”、ピアノマン風情のA-3”Willie”、モロに切ないポップバラードA-4”Live And Learn”とA面は捨て曲ナシ。B面では冒頭B-1”Song About You”でノリの良さを見せ付けたかと思うと、B-2”It Ain’t Love”ではお得意の沁みるバラードを。B-2はビルボードのポップチャートで唯一チャートインも果たしている(最高92位)。ゴスペルタッチな盛り上がりを見せるB-3”One Too Many Morning”、ラストのB-4”Music”まで本当に駄曲が見当たらない。マイルドな歌声も嫌味がなくて良い。一作とは惜しいピアノマンだ。
ジャケは地味だが、二重丸。