/ Over The Rainbow ( Mirror 6 / 1978)
バット・マグラスとのデュオで知られるSSWだが、アコースティックを基調にしながらも都会的な味付けがなされていて、Pre-AORと形容される音が好きな身にはグッと来る。クリスチャン系のアルバムばかりのドンのソロ盤の中では手を出しやすい方。
この盤、カバーがなかなか面白いところ。割とソウル寄りなドンの好みが良く出ている。冒頭はキム・カーンズの”And Stills be Loving You”を少ししゃがれ気味のビターヴォイスで切々と歌う。A-2ではレイ・チャールズなんかで御馴染みの”Unchain My Heart”を演っている。A-3のバラード”Gray Haired Young Man”なんかの自作もなかなか沁みた。ティム・クレコルのアーシーなA-4”Too Much Love”を挟むとフレディ・ニールのA-5”Everybody’s Talkin’”のPre-AORカバーが。サビでファルセットが出てくる辺り、キます。B-1ではロブ・ガルブレイスのB-1”Tell Me With Your Eyes”が16ビートで飛び出してくる。テナー・サックスもなかなか。とはいえもちろんB-2”Love Side”なんかのアクースティックなタッチの方が収まりは良いに決まっている。B-3”How Can I Be Sure”はラスカルズ、ブリガッティ兄弟の大名曲。ドンは割と原曲に忠実に歌っている。マンドリンが入ったりする辺りが彼らしいが。B-4のタイトル曲”Over The Rainbow”はもちろんあのスタンダード。こちらは生ギターとハープ、それにストリングスをしっとりと被せて、崩して歌う感じが良い。
別ジャケも出ているが、自主盤っぽいこちらの方が好み。ちなみに内ジャケにはでかでかとギャラガーのアコギが。ドック・ワトソンが使用していることで有名。欲しい。