/ How About This ( invitation /1986 )
タモリです。表裏ジャケの女の横乳というのが、実にアッケラカンと自主規制の働いていなかった80年代を思わせて微笑ましいのだが。ジャズとタモリというのは切っても切れないものがあるわけだが、ここでは全曲タモリの自作、さらにはボーカル、フリューゲル・ホーン、コルネット・フルート、ヴィヴラ・ハープ、フェンダー・ローズ、ピアノ、シンセまでも自身が手がけると言う本格盤。余りに本格的過ぎて余り取りざたされない気もするのだが、A-1”I Got Something Romantic”やB-2”Harvest Moon”で聴かせるシナトラばりのテナーボーカルはどうだろう。トミー・スナイダーに作詞を任せ、あくまで本物を狙っている。A-2”Lazy Afternoon”やA-3”Midship Friendship”なんかは英語と日本語の折衷ロックでオトナに迫ってみたり。明らかに狙いは桑田バンドなのだが。ファンクっぽいA-4”In The End Of This Night”にたゆたう身を任せる頃には声の主がタモリだと言うことを忘れさせてくれる。