いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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[NEW!!]2023年3月31日発売、スコッティ・ムーア『ザ・ギター・ザット・チェンジド・ザ・ワールド』、オールデイズ音庫『あの音にこの職人1:スコッティ・ムーア編』、ザ・キャッツ『キャッツ・アズ・キャッツ・キャン』の3枚のライナーノーツ寄稿しました。
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[NEW!!]2023年2月24日発売、ビッグ・ボッパー『シャンティリー・レース』、フィル・フィリップス『シー・オブ・ラブ:ベスト・オブ・アーリー・イヤーズ』、チャド・アンド・ジェレミー『遠くの海岸 + キャベツと王様』の3枚のライナーノーツ寄稿しました。
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[NEW!!]2022年12月23日発売、バディ・ホリー・アンド・ザ・クリケッツ 『ザ・バディ・ホリー・ストーリー』(オールデイズレコード)のライナーノーツ寄稿しました。
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Sonny & Cher

markrock2006-05-26

/ All I Ever Need Is You ( Kaap KS3660 / 1972 )


失礼ながら不釣合いな夫婦だなあと思う。音楽界ではキャリアも長く、後に市長さんにまでなっちゃうオッサン、ソニー・ボノと、エキゾチックな絶世の美女のシェールですか。ううん、不思議。

このレコは最近入手したもののの内の一つ。デュオとしては後期のもので、大ヒットしたタイトル曲A-1”All I Ever Need Is You”が売りの一枚だが、気になるのはA-3”More Today Than Yesterday”のカバー。オリジナルよりもテンポアップして、スウィンギーに歌い放つ快唱!元はスパイラル・ステアケース、パット・アプトン一世一代の名曲だが、他にもこの曲にはモータウン時代のKiki Deeのカバーなんかがある。パット・アプトンはスパイラル・ステアケース解散後、生前のリッキー・ネルスンのツアーバンドのバックボーカリストとして活躍していた。ネルスンのアルバムにもクレジットを発見できる。

その他だと70年代初頭にとりわけ勢いがあったマコウレイ/クック/グリーナウェイ・ソング、A-3”Here Comes That Rainy Day Feeling”やA-4”Crystal Clear / Muddy Water”が弾むようなソフトロック仕様で実に良い。ちなみにこの盤、プロデュースはスナッフ・ギャレット、アレンジはアル・キャップス! 快調なA面を裏返すと、全盛期を過ぎた平凡なBono作品が並び、音としてはある意味ソニー&シェールらしい。しかしその中でもA-4同様Linda Laurie作品B-2”I Love What You Did With The Love I Gave You”やB-4”We’ll Watch The Coming Up”はA面のソフトロックなノリを維持。でも、ここまでいくと個性は消えてしまっているとも言える。そう考えるとシェールのアルトが鳴り響くB-4”Somebody”なんかはしんみり感動する。それと共に、やはりデュオとしてというよりもソロとしての方が輝くであろうことに気づかされる。