/ The Blue Ridge Rangers Rides Again ( FORTUNATE SUN/Verve Forecast / 2009 )
昨年紹介しそびれたジョン・フォガティの新作。CCR時代と全く変わらぬシャウトが怪物級な人。ウッドストックにも出てますからね。まだ現役感十分に演ってるのは凄いの一言。
さて、カントリーをトリビュートした1973年企画の焼き直しだが、ロック世代も満足させる選曲的にも今作の方が上。ジョン・プラインのM-1”Paradise”からスタート。ディレイニー&ボニーのM-2”Never Ending Song Of Love”は、ハーモニー・ボーカルをつけているハーブ・ペダースン自身、『Rice,Rice, Hillman & Pedersen』(1999)で歌っていた。そして注目すべきはドン・ヘンリー、ティモシー・シュミットというイーグルス勢がコーラス参加したリック・ネルスンのM-3”Garden Party”。オリジナルに忠実なアレンジは正解。ティモシーが、ポコ、イーグルス共に、リックのストーンキャニオンバンドにいたランディ・マイズナーの後釜として加入したというのは有名な話だけれど、そんなことも思い出しながら聴く。ドンとティモシーも少しリードをとるけれど、ドンにはキーが低すぎるかな。
ジョン・デンバーのM-5”Back Home Again”は正直意外。さらにブルース・スプリングスティーンとエヴァリー・ブラザーズのM-12”When Will I Be Loved”を歌うと言うのもまた意外で。ジョン・フォガティっていうと個性がありすぎるからか、孤高の人って言うイメージがあったもので。
ジョンのオリジナルはブルージーなM-7”Change The Weather”1曲のみ。M-11”Haunted House”はロカビリー風味。エレキギターはその他も殆んど弾いているけれど、バディ・ミラー。
あと、改めて良いなあと思ったのはM-8”Moody River”。コレ、パット・ブーンの曲ですよね。家にあったブーンのベストを聴いてみたけど、軽妙なAメロから一転してマイナーに行く辺りが絶妙のサビだと感心してしまう。全くマークしていなかった。ウーン、全くルーツ色がないと思って聴いていたアメリカン・ポップスにもカントリーのビートが忍び込んでいることに初めて気付かされたのはリック・ネルスンだったわけだけど、今度はパット・ブーンですか。改めて一本取られたな、と。日々勉強です。