/ Same ( Motown / 1970 )
シュープリームス脱退後のダイアナ・ロスのソロアルバム。少年のような華奢な容姿で座り込むダイアナとマイケル・ジャクソンが被って見えてきてしまう。
さて、この盤。シュープリームスの音を超える曲作りに日々頭を悩ませたであろうアシュフォード&シンプソンのプロデュースでどこをとっても完璧な音。全米1位となった名曲M-5”Ain’t No Mountain High Enough”(マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルのリメイク)やR&Bチャートで7位まで上がったM-1”Reach Out And Touch (Somebody’s Hand)”、それにM-3”You’re All I Need To Get By”なんかを含む全11曲。M-4”These Things Will Keep Me Loving You”だけはジョニー・ブリストルのプロデュースだけれど。
さて、今回聴いているのは2002年に出たCD。ここには貴重なボーナス音源が含まれていて。”Something’s On My Mind”のライブとか、”Ain’t No Mountain High Enough”のミックス違いだとか、それはそれで聴きモノなんだけど、何と言ってもボーンズ・ハウとのセッション4曲。アシュフォード&シンプソンとの仕事と同時にフィフス・ディメンションで当てていたボーンズ・ハウとも録音をしていたなんて、知らなかった。ソロでイメージチェンジを図るためにはと、色々な道を画策していたんですな。
そして、その曲と言うのがまず、フィフス・ディメンションへの曲提供でお馴染みのローラ・ニーロのM-16”Time And Love”とM-17”Stoney End”!コレ、笑っちゃうくらい良い。ソフト・ロックのファンにもアピールする内容で、前者をレコーディングしているフィフス・ディメンションと全く同様の音作り。ダイアナの個性が出ているとは言えないから、没になって当然かもしれないけど、音は凄く良い。(”Time And Love”だけは既に2000年にベスト盤でCD化されている)この2曲はバーブラ・ストライザンドがその後レコーディングし、ヒットさせる事になった曲だが、ダイアナ盤の方に(新鮮味もあるわけだけど)好感触を持った。ちなみに”Time And Love”はジーン・テレルのシュープリームスでも使い回しでレコーディングされている。
あともう1曲、ジミー・ウェッブのM-19”The Interim”も意外な所だったが、このジミー・ウェッブもダイアナ無きシュープリームスの1973年盤でプロデュースを引き受ける事になったことが思い出される。あとはフィフス・ディメンションの6枚目のアルバムのタイトル曲となった”Love’s Lines, Angles And Rhymes”。ウーン、この4曲だけでも聴く価値があると思えた。