その後、フォーク・ロック・グループWingsの設立メンバーとなるも、ダンヒルからのアルバム・リリース時には脱退、そしてギルド・ライト・ゲージ(The Guild Light Gauge)(ポール・サイモンも使っていたギターであるギルドのライト・ゲージ…安直なネーミング)というソフト・ロック・グループで1968年にキャピトル傘下のWe Make Rock'n Roll Recordsからシングル「14th Annual Fun & Pleasure Fair / Cloudy」をリリース。コレ、コッペルマン・ルービン・カンパニーの制作でプロデュースはアーティ・コーンフェルド、アレンジはジミー・ワイズナー。本気が伺えるものの、ヒットには至らなかった。男女二人ずつのグループだったが、ポール似のエディの歌声が目立つ。最後に奥の手、ということでB面ではS&Gの”Cloudy”(ポール・サイモンとシーカーズのブルース・ウッドリーの共作)の直球カバーを披露。
さらにその後、1969年にサイモン&ガーファンクルを彷彿とさせるデュオ、クリブ&ベン(Crib & Ben)名義でデッカからシングル「Emily / Chorale In D Minor」をリリース(B面はカラオケ)。エドワード(エディー)・サイモン&ポール・ゲルバーからなるデュオ。エディの歌はここでもポールと区別がつかないような。しかもS&Gの名曲“For Emily, Whenever I May Find Her”を彷彿とさせるタイトル。アレンジとコンダクターはエマニュエル・ヴァルディというユダヤ系のヴァイオリニストが務めた。デッカではこの2人エドワード・サイモン&ポール・ゲルバー名義で、エフ・マッケイという人のシングルと、マッケンドリー・スプリングのファースト・アルバムをプロデュースした(彼らの有名なセカンドはエリオット・メイサーがプロデュースし、アダム・ミッチェルがアレンジを手掛けている)。マッケンドリー・スプリングの1stからシングルカットされた”What Will We Do With The Child”はニック・ホルムズの曲だが、これはアート・ガーファンクルが後にソロ・アルバムでニックの曲を歌ったことも思い出される。
さて、久々にダンヒルの棚からWingsの唯一作『Wings』を聴いている。1968年にスティーヴ・バリがプロデュースした、ママス&ザ・パパスの二匹目のドジョウを狙ったようなフォーク・ロック・バンド。ポール・マッカートニーのウィングスとは別物。ただ、メンバーは結構凄くて、スパンキー&アワ・ギャングからオズ・バッハ、ジェファーソン・エアプレインの初代ドラマーだったジェリー・ペロキン、セレンディピティ・シンガーズ(カルトなSSWのニック・ホルムズも在籍)にいた紅一点パム・ロビンス、この後マウンテンに客演することになるキーボーディスト、スティーヴ・ナイト。そしてP,P&Mの” I Dig Rock And Roll Music”をポール・ストゥーキーらと共作したジム・メイソンという布陣。
考えてみると、メイ・ウェストの全盛期って1930年代。1893年生まれですよ!ロック史でいうと、1930年代半ばにレコーディングを残したロバート・ジョンソンですら1911年生まれですからね。だから、1972年の本盤レコーディング時にメイ・ウェストは79歳!エライおばあちゃんだったということになる。一般的に女優の歌はご愛嬌という印象があるけれど、全然聴けますね。音を外しているとかはなく、流石は歴戦のハリウッド女優。タイトル曲のジェリー・リー・ルイスのロックンロール”Great Balls Of Fire”はちょっとタイミング遅れてる箇所もなくはないけど、ちゃんと歌えている。ビル・ヘイリーの”Rock Around The Clock”も最高。自分が79歳になったとき、コレをこんな風に歌える自信はない。あとは狂おしいドアーズの”Light My Fire”とかね。むちゃくちゃいいですよ。陽気なニール・セダカ”Happy Birthday Sweet Sixteen”も大変よろしい。
全曲試聴はココをクリック 収録曲「東京」PVはココをクリック 【Tower Records特典】(新宿店・吉祥寺店少量限定)
5曲入CD-R(MASH RECORDS MASH-005 Year : 2015)
アルバム未収録の洋楽カバーを収めた全5曲の特典盤!!
1. God Only Knows(The Beach Boys)
2. I'd Really Love To See You Tonight(England Dan & John Ford Coley)
3. Laughter In The Rain(Neil Sedaka)
4. Danny's Song(Loggins and Messina)
5. Universal Soldier(Buffy Saint-Marie)
収録曲「I'd Really Love To See You Tonight」PVはココをクリック
■ミュージックマガジン2014年10月号行川和彦の“りある”インディ盤紹介 Do It Yourself!にいしうらまさゆき3rdアルバム『語りえぬものについては咆哮しなければならない』レビューが掲載されました
■CDジャーナル2014年9月号に いしうらまさゆき3rdアルバム『語りえぬものについては咆哮しなければならない』レビューが掲載されました ココをクリック
■レコードコレクターズ2014年9月号ニュー・アルバム・ピックアップに いしうらまさゆき3rdアルバム『語りえぬものについては咆哮しなければならない』レビューが掲載されました 「つくづく生まれてきた時代を間違えてんじゃないかと思う。今回のアルバムも、70年代的なイディオムがたっぷりとつめ込まれている。あらためて思うがフォークは風刺であった。真正直に言ったらシャレになんないよ、といった事柄を自虐と諧謔を込めて歌にする。この伝統的な遺伝子が、いしうらまさゆきには備わっている。相変わらずどこか稚拙でヘナチョコなところがあるけれど、でも圧倒的に彼を支持したくなるのはその部分だ。ニューオーリンズのR&Bを匂わせる曲があったり、ラッパーのEARVIN(ウリフターズ)と組んだフォーク・ラップがあったりもするのだけれど、そういった新しさが奇妙なほど斬新に響く。カラ元気のように吉田拓郎や岡林信康の名前が登場してくる「愛すべき音楽よ」や「路上から On The Road」などを聞いているとすべての苦悩や杞憂や絶望を、自身の細腕で何とかしようと頑張ってる一途な姿が浮かんでくる。たぶん君は時代を変えられないかもしれないけど、でも僕は君のことずっと好きでいるよ。」(小川真一)
■いしうらまさゆき
3rdアルバム『語りえぬものについては咆哮しなければならない』
MASH RECORDS MASH-002
Distributed by VIVID SOUND
2014年7月20日発売
定価2160円(tax-incl.)
購入方法はココをクリック
"無(ゼロ)の季節"、"しょうがない (feat.EARVIN)" 、"日本(ニッポン)の繁栄"、"愛すべき音楽よ"、"路上~On The Road 1995.3.20"、"永遠のリズム"…他 全14曲!!
全曲試聴はココをクリック
■ミュージック・マガジン2013年2月号行川和彦の“りある”インディ盤紹介 Do It Yourself!にいしうらまさゆき2ndアルバム『愛すべき音楽よ』レビューが掲載されました
■『TRASH-UP!! vol.14』
2013年1月発売 MUSIC REVIEWにいしうらまさゆき『愛すべき音楽よ』レビューが掲載されました。
■いしうらまさゆき
2ndアルバム『愛すべき音楽よ』
MASH-001
2012年11月1日発売
定価1000円(tax-incl.)
(MASH RECORDS)
購入方法はココをクリック
"青春DJ"、"ねがい"、"僕は君と…"、"愛すべき音楽よ"他 全17曲!!
吉祥寺オリエンテッドな中央線フォークを歌い継いできた、いしうらまさゆき2枚目となるフル・アルバムが堂々のリリース!プロデューサー馬下義伸とがっぷり四つに組んだ今作は、「音楽愛」をテーマにビートルズ、ビーチ・ボーイズ、ボブ・ディラン、CSN&Y、S&G、はっぴいえんど といった音楽的ルーツを下敷きに、ロックの感性で弾きつくし、歌い尽くした快作!!全編ポップなメロディに飄々とした批評精神が横溢。毎日欠かさずレコード屋に通い続ける音楽バカだからこそ歌える、音楽を愛しすぎた故の嘆きでもあり希望!…愛すべき音楽よ、一体どこへ行こうとしてる??(イラスト&デザイン Daniel Kwon)
<この商品はCD-Rです。自身による詳細な解説を加えた特製ブックレット付属!!>
■ミュージック・マガジン2012年1月号行川和彦の“りある”インディ盤紹介 Do It Yourself!にいしうらまさゆき『蒼い蜜柑』レビューが掲載されました
「79年に東京で生まれたシンガー・ソングライター、いしうらまさゆきのデビュー作『蒼い蜜柑』(カゼ KAZE015)は、元ピピ&コットの金谷あつしがプロデュースした約26分6曲入り。社会性も帯びた歌詞や朗々とした歌唱も含めて70年代初頭の日本のフォークへのオマージュも感じられるが、ノスタルジーに終始することにより発するカビ臭さはなく、くるりや山本精一との接点も感じる現在進行形の日本のフォーク・ロックとして楽しめる。いわゆるシスコ・サウンド風の艶やかなエレクトリック・ギターとほのぼのしたバンジョーも挿入し、井の頭公園とその入り口をアートワークに使っている、東京・吉祥寺の都会的な土臭さが染み出たCD。」
(行川和彦)
■いしうらまさゆき
1stアルバム『蒼い蜜柑』
KAZE-015
2011年9月15日発売
定価1500円(tax-incl.)
(KAZEレーベル)
購入方法はココをクリック
一方、1999年には大学時代の友人とコミックフォーク・デュオ「うず」を結成し、ソニーミュージックエンタテインメントのコミックソング・オーディションに合格。とりわけバブルガム・ブラザーズのBro.Tom氏に気に入られ、『Live on TV 原石』(テレビ東京)、『ピンク・パパラッチ』(日本テレビ)などに出演。以後もブルースターレコードにお世話になりながら、ソロで江古田マーキー、四谷コタン、中目黒楽屋、吉祥寺Be・Point、お台場Yesterday Once Moreなどのライブハウスに出演。