/ Same ( EPIC KE32146 / 1973 )
4月、さすがに新年度は忙しく過ぎ。更新しようにもなかなか時間が。CDやレコは増えていくんですが。
さて、今日は久々にLPを取り出しつつ。カナダのバンド、ベアフットの2ndを。ベアフットはザ・バンドのベーシスト、リック・ダンコの弟、テリー・ダンコや、初期のザ・バンドがバッキングを務めていたロニー・ホーキンスとロードを共にしていたドゥエイン・フォードが在籍していたことで知られている。後にこのバンド、ハンサムなドゥエインがフィーチャーされていく(Dwayne Ford & Bearfoot 『Passing Time』)。
ドゥエインは後にソロ名義で同郷のデヴィッド・フォスター・プロデュースによるAOR名盤『Needless Freaking(ストレンジャー・イン・パラダイス)』を発表しているのでファンはご存知かと。The Keane Brothersの”Shelly”のソングライティングも印象的。
さてベアフット盤、中身を見てみると、全編アクースティックで土の匂いのするバンドらしい音。もともと“Atkinson, Danko and Ford”の名で活動していただけあって、CS&N的なメンバーの個性の住み分けを楽しめるのが面白い。個人的に好みなのは、フォーキーテイストなジャイムス・アトキンソンの作品。ギター・カッティングと三声のコーラスが気持ちいいA-1”Only A Soldier”は本作でもベストな出来。A-5”Sweet Harmony”やB-3”Life Goes Too Fast”も悪くない。
テリー・ダンコのA-2”Mark Twain”はザ・バンドをさらにポップにした感じの佳曲。南部っぽさが出てくるあたりが兄弟の血。ドゥエインのA-3”How Can I Prove It”は冒頭のカントリーっぽさとポップな感性が交じり合った面白い作風。オールドタイミーなA-4”I Used To Love Her Madly”もなかなか。
B面はハードなタッチのテリーのB-1”Quiet On The Water”がちょっと雰囲気を壊してしまうが、シングル・カットされたアッパーな南部ロックB-2”Right On”がゴキゲン。ラストのピアノ・バラードB-5”Holy, Holy, Holy”は後のドゥエインの世界に繋がる。
ちなみにメンバーのジム・アトキンソンはリック・ダンコ1977年の名作ソロやキンキー・フリードマンの『Lasso from El Paso』にギターで参加している。ドゥエインは近年も新作を発表しており、CDBabyで買える(http://cdbaby.com/cd/dwayneford/from/bluedesert)。バリバリの産業ロック。