/ Liberty ( myrrh / 1974 )
お盆に合わせて両親の故郷である金沢に帰省。いつ行っても温かい人の心に触れられる素晴らしい土地だ。流石に暑かったけれど、先祖代々の土地に行って感じられる落ち着きというものはかけがえのないものと思う。東京は漂白民の街という気がするものだから。
泊まっていたホテルは、「金沢城オペラ祭」出演者の宿となっていたらしく、エレベーターをゆっくり待って閉めてくれた優しく気の良さそうな3人のお兄さん達に思わず聞いてしまった!
「ゴスペラーズですよね??」「はい。」
いやー、驚いた。
さて、そんな金沢でもレコ屋はチェック。名店レコード・ジャングルは訪問できず、AORものに強いWindmill Recordsに。ALFAレコード制作で松任谷正隆、鈴木茂、高橋幸宏、元イーストの吉川忠英&瀬戸龍介なんかが参加した広谷順子1stとか、vividで再発されたLPは持っていたけれど、ジャズ・ボーカリストJulie Kellyのポップ・フュージョンなファースト『We’re On Our Way』とか、ロバート・アペル制作のピアノSSW、Jim Mandellの『No More Illusions』とか、林哲司の1992年のソロ『ポップ×アート』とか、雑多な落穂ひろいに成功。
さらにもう一枚、ジーン・コットンのmyrrh盤を入手。ジーン・コットンはポップ・カントリーのフィールドで活躍したSSWなのだが、クリスチャン・ミュージックの名レコード会社myrrhでも作品をリリースしていた。とはいえ、いつもの作品同様に楽しめた!アクースティックでなかなかいいじゃないですか。
1曲目の”Sunshine Roses”はトレースして直ぐ気が付いた。歌詞の世界やアレンジを取ってみても完全にドン・マクリーンの”American Pie”でしょう。ご愛嬌だけれど、結構ポップで良い。自作に混じってカバーもある。ロブ・ガルブレイスの”I’d Hate To Be A Black Man”はタイトルを見て白人至上主義の歌かと思ってドキッとしたけれど、むしろ逆で、南部の黒人差別を糾弾する内容で安心する。さらにさらに、SSWファンを狂喜させたマーク・ヘンリーの”There Is A Breeze”が。マイケル・ジョンソンのファースト・ソロのアルバム・タイトルにもなっている曲。調べてみると、メアリー・マクレガーと一緒にナッシュビルに売り込みに行った話が、ハイファイ・レコード・ストアのブログに書いてあった。
他にもCCMミュージシャンのラリー・ノーマンやランディ・マシューズの作品を歌っていた。録音はナッシュビル、レジー・ヤングやピート・ウェイド、チャーリー・マッコイ、ケニー・バトレイらが参加。バーゲン・ホワイトも弦アレンジで加わっている。