*[フォーク] Alan Arkin / Folk Songs (and 2 1/2 that aren’t) - Once Over Lightly ( Elektra-21 / 1955 )
昨年11月28日に行われた鈴木慶一さんのミュージシャン生活50周年記念ライブat Billboard Live TOKYO。コレ、配信で観たけれど、素晴らしかった。糸井重里がデザインしたゲーム「MOTHER」のサントラを完全再現してみせるというもの。ムジカ・ピッコリーノで鈴木と共演していた斎藤アリーナ、坂本美雨、スカート澤部渡らとともにダニエル・クオンもゲスト参加していて。絶妙な人選に思えたダニエルの”FLYING MAN”はコンサートの中でも白眉だったと思う。
そのダニエル君から1~2年前に探してほしいと頼まれたのが1955年にリリースされたアラン・アーキンの10インチ『Folk Songs (and 2 1/2 that aren’t) - Once Over Lightly』。レコード番号から、ジャック・ホルツマンが1950年に作った名レーベル、エレクトラの21枚目の作品だったことがわかる。アラン・アーキンはエリック・ダーリング、ボブ・キャリーと共にフォーク・グループ、タリアーズのメンバーだった人。ただ、現在は超大御所アカデミー俳優としてのイメージの方が強いかもしれない。とはいえおよそ65年前のソロ・レコード、しかも10インチ、フォーク関係は結構集めてきたつもりだったけれど、日本ではお目にかかったことがない…ということで、結構探した挙句アメリカから取り寄せた。そんなことで先に聴かせてもらったけれど、ガットギターの弾き語りでアランが美声を響かせる、文字通りモダンなフォーク・レコードだった。その後ダニエル君に渡しがてら聴いたけれど、やっぱり素晴らしく、ダニエル君も唸っていた。
そんなわけで、やっぱり自分も欲しくなってしまって、また結構探しまして(笑)いま手元にあるというわけ。大好きなカウボーイ・ソング”Colorado Trail”の一番良いヴァージョンも入っている。10インチのライナーにも書いてあったけれど、カール・サンドバーグが採取して1927年に出版したアメリカン・ソングバッグ(The American Songbag)に収録されて世に知られた曲。1960年のキングストン・トリオ版より5年早く、アラン・アーキンが取り上げていたことになる。”Kisses Sweeter Than Wine”も素晴らしいテイクだし、アルバム・タイトルの”フォーク・ソングス(2と2分の1は違う)”にもユーモアを感じる。
87歳でご存命、まだ歌っている!