明けましておめでとうございます。今年も本ブログを何卒宜しくお願いいたします。
昨年は多くの方々のご協力を賜り、9月に初めての単著(『哲学するタネ――高校倫理が教える70章【東洋思想編】』明月堂書店)を出版する運びとなった。正直自分が今までに出した4枚のCDよりも反響が大きかった(ちょっとショック…?!)。全国の大手書店でも平積みして頂いたり、図書館にも置いてもらったり。街の書店から出版社に「良い本だった」とお褒めの電話もあったらしい。出版不況が叫ばれる中、しかも小さな出版社からの全国流通だから、中身で勝負するほかなかったわけだけれど(これはCDでも状況は全く同じ)、ちゃんと評価を貰えたのは本当に有り難いことだった。11月には分担執筆で関わった本も出た(http://www.shimizushoin.co.jp/tabid/89/pdid/779/Default.aspx)。『哲学するタネ――高校倫理が教える70章【東洋思想編】』は今も絶賛発売中なので……もし哲学や思想にちょこっとでも興味がある方は、ぜひ手に取って頂けると嬉しい。
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そして今年は『哲学するタネ』の続編である【西洋思想編】の出版を頑張りたいと思っている。そして、私の音楽人生で最も影響されたミュージシャンの50周年・70歳記念の出版企画が今ひそかに動いているところ。1ヶ月かけて取り急ぎ6万字の全アルバム・レビューを書き上げたのだけれど、魂が抜けてしまい、ブログがおろそかに。いけません。完成にこぎつけ、この場でご紹介できたらと思う。
今日はロニー・ジョンソンを。この人の洗練されたモダンなブルーズ感覚はやばいとしかいいようがない。YouTubeで映像を見つけて瞬時に魅了され、最近急にハマっている。BBキングが憧れたギター・ヒーロー。唄も最高に上手い。尋常じゃないのはデューク・エリントン楽団とサッチモことルイ・アームストロングのホット・ファイヴのギタリストだったということ。そうしたジャズとブルースの橋渡しをしただけでなく、ポピュラー歌唱盤もあるという。その辺りが、ロニーに影響されたロバート・ジョンソンほど、潔くないというか、わかりやすくないというか、白人が黒人ブルーズに求めるピュアなオーセンティシティを刺激しないところが、ロック世代からの評価が鈍い部分なのではないかな。
しかし1899年生まれだと侮ってはいけません。今の自分にはこれくらいのギターソロと唄の按配が何とも丁度よい。ヴァーヴ・フォークウェイズに録音したという晩年1967年の音源をCD(『The Complete Folkways Recordings 』)で手に入れた。ガーシュウィンの”Summertime”やホーギー・カーマイケルの”Old Rocking Chair”みたいなスタンダードのカバーもある(素晴らしい弾き語り芸!!)。なのに1982年までお蔵入りさせていたとか、謎すぎます。調子に乗って、1960〜62年のプレスティッジ・ブルーズヴィルの諸作も入手。『Blues By Lonnie Johnson』(1960)、『Blues & Ballads』(1960)(Lonnie Johnson with Elmer Snowden)、『Losing Game』(1961)、『Idle Hours』(1962)(Lonnie Johnson with Victoria Spivey)の4枚。ジャケも素晴らしいのでレコードで欲しいけれど、これは高過ぎて「ムリ」ですね……。