*[コラム] スピーカーの至福
最近焦ったことを幾つか…まずは芽瑠璃堂マガジンでリンクして頂いている、2005年からやっている拙ブログ、はてなダイアリーに開設していたのだけれど、2019年1月末でサービス終了なのだという。2月に気付いたけれど。こういう時の運営会社の容赦なさと言ったらまったく!111万アクセスを超え、キリ番はどのタイミングで…などと思っていたらキリ番直前でサービスがストップするという(笑)。致し方なく、はてなブログに移行してみたが、なんだかどうにも慣れない(https://markrock.hatenablog.com/)。
そしてもう一つは数年おきにやって来るレコード針問題。2014年に倒産したvestaxのプレイヤーなので、純正針は存在せず。プレイヤーごと変える手もあるけれど、手動のピッチコントローラーが付いていて、半永久的に使えると踏んでいるから変えないつもり。ちなみにベルトドライブ式のレコードプレイヤーの場合、ゴム製のドライブベルトは劣化パーツなので10年もすればもちろん交換が必要になる。それに、そもそもモーターがへたってくるため、回転数が変わってくる点は注意が必要。33回転、45回転とセレクターでスイッチしたとしても、古いプレイヤーはズレている場合がほとんど。CDなどのマスター音源や楽器を使って、ピッチとスピードを手動で調整する必要がある。で、針の話。vestafanという元ベスタクスの方が立ち上げた会社が、小ロットで時々作っているけれど、最近は製造されていない模様。そこで、ケンウッド/トリオのとある針とも型が同じなので、それを買っていたけれど、A’pisでもとうとう取り扱い中止に…するとアマゾンで買えるJico針は足下を見たのか突然値上げして5000円近くという厚利少売になっているし、万事休すかと思った。でも、電器屋さんに以前聞いた、「結局針自体を作っているのはほぼナガオカさんです…」を頼りにナガオカの在庫を見ると、当たり前のようにあるじゃないですか!しかもヨドバシだと値引きで3000円くらいになっていた。いやはや音楽を聴く最重要インフラなので、焦りました。ナガオカはすごい。
そして最後はスピーカー。最近リサイクルショップで安スピーカーを買う、という行為にハマってしまいまして、正直場所も取るので大変だった(買う度にその都度売るのも実は大変で)。目標はといいますと、オーディオファンはそんなに好きじゃないみたいですが、20年くらい愛用していたONKYOをサブにして、メインをVictorにするという改革。狙いは1973~74年のVictor SX-3。某変態ミュージシャンで音楽オタクの友人の家で聴かせて貰って開眼。解像度は決して高くないのだけれど、現代の音楽聴取環境に一番欠けている低音が実に素晴らしかった(巷のBluetoothスピーカーぐらいで満足していたら、拘った音作りをしているミュージシャンは報われないと思う)。ジャズ、ロック、クラシックはもちろん、私の一番思い入れのある70年代のシンガー・ソングライターを間違いなく一番良い音で、ロック喫茶のように聴けるスピーカーだと感心した次第。アンプの力量は必要に思えるけれど、音量を上げても耳に痛くない、優しい音。比べると今までのONKYOの方がシャリシャリしていて耳に痛い音だった。
ただ、発売から45年ほど経っているから、良いコンディションのものはほとんどない。それでもSX-3信者は多いようで、パーツ用のジャンクでもオークションで即売される状況。後続のSX-3ⅡやSX-3Ⅲも人気のようだった。で、とうとう先日、某オークションでジャンク品を発見し、3000円台で入手(プラス送料は140サイズ×2)!。音は出る、としか書いていなかったのだけれど…実際届いてみると、まずそこそこデカイのにビックリ。片方で13キロもある。で、通電してみると…アッティネーターのガリとそれによる音飛び、ツィーターの音の出も悪いようで、ここで我に返って焦りました。やばいもんを買っちまったな…と。再びGo to オークションかと思ったものの、分解・修理を決意。苦しいときの接点復活剤を買ってきて、バラしてみた。中は45年の時を感じさせず、意外なほどキレイ。白布が敷き詰められている。低音の秘密はこれか、と(化繊の吸音材だと、古くなるとこれがポロポロ粉になって出てきたりするので困る)。とりあえず接点復活剤で接点の黒ずみを丁寧に落とし、ホコリを取り除いていって…おそるおそる通電し、再度鳴らしてみると、ドカーンと全部鳴りました!ガリも消滅。いやー、本当に焦ったけれど、結果オーライかな。聴き慣れたレコードも違う音で聴こえてくるから不思議。聴き比べているだけで夜になってしまう。