西城秀樹が亡くなったというニュースには本当に驚いた。脳梗塞の後遺症でリハビリが続いているという話は聞いていたけれど。身をよじり元気に熱唱している姿しか思い浮かばない。70年代最後の年に生まれた自分としては、はじめはバーモントカレーのCMのお兄さん、という印象。もちろん「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」(オリジナルのヴィレッジ・ピープルはゲイ・ピープル向けバンドでした)や、ちびまる子ちゃんのエンディング・テーマもあった。高校生くらいの時に観たコンサートで「ギャランドゥ」を歌っているのを聴いて感動したことも。もんたよしのり作。初めて買った洋楽CDがビリー・ジョエル『ストレンジャー』だったから、感動して当然だったような。タイトル曲と結構似ている(笑)。
西城秀樹は歌謡界にあって、無類のロック少年だったようだ。新御三家では野口五郎もギターを弾くし、洋楽志向が強かったけれど、西城秀樹の方がもっと根源的にソウルがあったような気がする。何しろ出身は広島。広島、大阪、福岡といったあたりは日本でもブルーズやロックの土壌があったわけだけれど、矢沢&ジョニーのキャロル同様、出自に由来するブルーズをリアリティをもって歌うことができたのだろう。
しかしなぜ売ってしまったのか、と今自分を責めているけれど…昨年の引越しの際、西城秀樹のレコードを多く手放してしまった。今のままのレコ量を維持するためにも致し方なく歌謡曲系を減らしたんだった…芳野藤丸が参加した、洋楽ロックのカバーを含むライブ盤なんかも結構好きだったんだけれど。
ということで、残されたものから3枚目の『エキサイティング秀樹−ちぎれた愛/情熱の嵐』を。コレ、今聴くとGS〜ニュー・ロックの延長のようなぶっとい音。これは素直にアナログで聴きたくなる。馬飼野康二&俊一の作・編曲を中心に、鈴木邦彦、井上忠夫、かまやつひろし、それに森田公一といった作曲陣が名を連ねる。中古で買ったとき、当時のサインも挟まっていた。こういう類はご本人が買いたのか、マネージャーが書いたのか、わかりませんが(笑)。
あとは「ブルースカイブルー」や「ブーメラン ストリート」、あとはオフコースのカバー「眠れぬ夜」なんかももちろん収録した1981年の2枚組ベスト盤『HIDEKI PRESENTS 30SONGS FROM BEST HIT CHART』、同1981年のオリジナル・アルバム『ポップン ガール・ヒデキ』が残っている。後者は大滝詠一・松本隆・鈴木茂というはっぴいえんどコンビが一同に介した「スポーツ・ガール」「ロンサム・シティー」が収録されているので手元に残した。どちらかといえば「ロンサム・シティー」の方がいい仕上がりかな。まだまだヒデキはレコードの中で生きている。