引越しでちょっとショックだったのは、愛用のONKYOのカセット・デッキが壊れてしまったこと。20年ぐらいですかね、結構長らく使っていたものだから。開けてみたところ、引越しで10年ぶりに動かした衝撃で、中の磨耗していたプラスチック部品が割れてしまったみたい。さらに、寿命15〜20年と言われているゴムのベルトも切れた模様。カセット・デッキが中古屋で十中八九ジャンク品扱いされているのは、割と早くダメになる消耗部品があること。ゴムのベルトはレコード・プレイヤーみたいにアマゾンで買えるんだけれど、レコード・プレイヤーほど修理が簡単とは思えない。
再生機が壊れると、こういったアナログ・メディアは絶望的ですよね。HMVレコードショップにもカセット・コーナーがあるし、中目黒には専門店ワルツ(http://waltz-store.co.jp/)が評判になったり、最近では新旧のカセットの新譜も出てますよね。でも、これだけカセット・ブーム再来だなんだと言っておきながら、現行の国産のまともなレベルのカセット・デッキは東京・多摩が誇る老舗TEACからしか出ていないという。しかしそれもCDプレイヤーとの一体型で、残念ながらドルビー再生もないという。デジタル変換もできるカセット・プレイヤーとかは安価で山ほどあるのだけれど、良音再生はまず期待できない。
そんなこんなで万事休す…と思ったんですが、やっぱりカセット愛好家はいるようで、ヤフオクとかに出品しているリペア業者の中で評価の高い方を選んで買ってみました。大体1万円弱くらい。ピンチローラー、ゴムベルトの付け替え、ヘッドの消磁、再生速度の調整あたりをしっかりやってくれている。送られてきたデッキを再生してみると…素晴らしい!!むちゃくちゃキラキラした高音!!ピアノの音なんか、凄いですね。ドルビー再生だってあるし。むしろ今までのデッキよりも良くなっていて、驚きました。今まで手に入れたカセット・メディアをとっかえひっかえ試聴しているけれど、これはこれでアナログの極みかも。CDとは全く違い、LPの音にも通ずるものがあるわけで。
確かにジャンク品のデッキを500円くらいで仕入れてきて、リペアして売ればいい商売になるのかな。でもね、こういう古いものを大切にする方がいてこそだと思いました。修理にはパーツも必要だし、技術も要ると思う。カセット・デッキとは別にラジカセの方も、デザインの良さがあるせいか、また別の方面からも注目されている。ただ、こちらはリペアされて5万くらいするものもザラにあるから、ちょっと高めかな。
個人的には小学生だった80年代、中高生だった90年代まではカセットが一番なじみのメディアだった。ラジオのエアチェックもしたし、おススメのテープを作って友達と交換し合うという遊びも。あと、アメリカやイギリスでは日本よりも長く2000年代までカセット文化が残っていたから(流石にもう消えたけれど)、近年まで定期的にアメリカのカセットのデッドストックをe-bayで取り寄せていた。99セントとか、むちゃくちゃ安かったこともあって。
80年代だとこんな感じかな。達郎ベストは90年代だけど。シンディ・ローパー、マイケル・ジャクソンなんかが懐かしい。ナイアガラものとか、ウォークマンのソニーのカセットがいちばんこの時代「らしい」。
アメリカとかイギリスで買ってきたやつなどなど。NOWっていうコンピのシリーズ、ありましたね。
今見るとちょっと珍しいなと思ったのはこの辺。マイケル・カタキスやジェリー・フラーはなぜかCD化されていない。そろそろ新譜が出るマイク・ラブの1981年盤『Looking Back With Love』もCD化されていない。よしだたくろうのジァンジァン音源『オン・ステージ第二集』も、本人の承諾なしで発売したゆえ、CD化は実現していない。
キャロリン・ヘスター、リヴ・テイラー、デヴィッド・クロスビー、モート・シューマン、そしてなんといってもマイケルの『スリラー』!
そういえばサンプル盤も2000年ごろまではカセットだったことを思い出す。CDが高くて、中古屋に流れてくるサンプル・テープ(それでも安くはなかった)を必死に買い求めたものでした。
エアチェック・テープも出てきました。大滝詠一・山下達郎関連は色々と発掘されました。そして元東京JAPのドラマー、DJ赤坂泰彦のミリオン・ナイツ最終回!いやこれは青春のラジオ番組でした。アメリカン・グラフティでお馴染みのウルフマン・ジャック・スタイルのDJで糸居五郎直系の人。これ聴いたら時が巻き戻るかも…