スティーリー・ダンからドゥービー・ブラザーズを渡り歩いたジェフ・バクスター。ギター上手過ぎですね。ブルースをベースにしたアメリカ的なギター・スタイルは個人的にはドツボです。初期スティーリー・ダンのReelin’ In The Yearsでデニー・ダイアスとユニゾンで弾くのもいいですよね(レコーディングはエリオット・ランドールですね)。マイケル・マクドナルドが入ってきたドゥービー・ブラザーズで不貞腐れながらギターを弾く姿なんかも思い出されます。その後やめちゃいますけれど。共和党員で現在軍事評論家っていうアメリカのロッカーにしては少々不気味な経歴も、この人ならわからなくもない感じ。
デビューはアラン・ローバーが手がけたボストンのサイケ・ガレージ・バンド、アルティメット・スピナッチ。ひどいバンド名だけれど、ローバーに改名させられたみたい。ファースト収録曲は日本盤シングル(『僕の旅路』)も出ていたみたい(http://www.punkblowfish.com/TheUltimateSpinach.html)。
MGMから3枚のアルバムを残していて、メンバーチェンジを経た1969年の3枚目にジェフが参加。楽曲はメンバーのテッド・マイヤーズ主体だけれども、リードギターやボーカルバンドで大活躍し、バンドを乗っ取るような形になっている。よって、オリジナル・メンバーのヒッピー・ガール、バーバラ・ハドソンという紅一点がほとんど目立たなくなっていて(フォーキーなReasonsがやたら場違いに響く)。というか、聴き続けていると、ジェフのギターの気持ちよい音しか聴こえなくなって来る。才能が突出しているというのはこういうことなんだな、と。たぶんテレキャスかな?ギターの音が心地よい。楽曲的には唯一のジェフ・バクスター曲”Daisy”というのが、疾走感のあるガレージ・ロックで最高!そして、白人ドゥ・ワップのリフレクションズの(Just Like) Romeo & Julietのロック・カバーが最高で。スティーヴン・ビショップもカバーしているけれど、本当に良い曲。