あけましておめでとうございます。今年も本ブログ、よろしくお願いいたします。
先ほど実家での新年会から帰る途中、スターパインズカフェの前でBUZZの東郷昌和さんを発見!なんと今日は杉真理さんの杉まつりに出演されていたんだとか。驚きました。わざわざソロライブのチラシを持って来て頂き、感動しました。バックは伊藤銀次バンド。BUZZはとにかく大好きでLPを買い集めていました。これは行かなくっちゃ!
さて、元旦に年賀状と共に届いたのがスティーヴ・ポーカロの初のソロ・アルバム『Someday/Somehow』。デヴィッド・ペイチと共にTOTOの初代キーボーディストだった人。現在再びTOTOのメンバーに復帰している。唯一のポーカロ家メンバーになってしまったし。このソロ作は昨年6月にリリースされたけれど、洋楽新譜の動きの悪いこんなご時勢ですから、当然日本盤はもちろん出ないし(10年前なら出たかもしれない)、日本の輸入盤店でも殆ど扱っていない状況で。ダウンロードで購入した人は結構いるみたいだけれど。まあ、Porcara Musicaからの自主盤リリースで、大手レコード会社の流通に乗っかっていないから、仕方ないかな。個人的にはどうせならフィジカルで、ということでHP(http://eurostore.totoofficial.com/eu/someday-somehow.html)からCDを購入した次第。
マイケル・ジャクソンに提供した一世一代の名曲Human Natureの自演が入っているかと期待したけれど、残念ながらそれは無かった。まあYouTubeでスティーヴ・ポーカロ自身が歌う当時のデモが聴けますが。紙ジャケ仕様、詳細なクレジットも掲載されたブックレット付で全13曲収録。サイト購入時に1曲・ボーナストラックLoved By A Foolがダウンロードできた。しかし、アルバム通して聴いてみると、内容は最高ですね!もう美学としかいいようがない、上品でミステリアスな音。TOTO時代から異色だった浮遊感のある独特のシンセサイザー・サウンドとスティーヴ自身のボーカルが、奥ゆかしい世界観を作っている。Human Natureが好きすぎて、ずっとエンドレスで聴いていたいという願望があったけれど、まさにそれが叶った感じ。ただ、その金太郎飴的なムードを打破するためでしょう、ゲスト・ボーカル曲を絶妙に配置している。マイケル・マクドナルドが歌うSwing StreetやNight Of Our Ownは特にビターなアクセントになって。スティーヴ・ルカサーとリック・マロッタが加わってAOR感溢れる素晴らしい仕上がりだった。そして2015年に惜しくも亡くなったマイク・ポーカロの参加曲や、スティーヴ、マイクになんとジェフ!というポーカロ三兄弟の共演Back To Youという涙涙のテイクも収録されていた。2015年のTOTOの集大成作『Toto XIV』でも幾つかの楽曲で共作者として名を連ねていたマイケル・シャーウッドが、今作でスティーヴと共同プロデュースを務め、楽曲もスティーヴと一緒に書いている。ボーカルや共作で参加していた若手ジェイミー・キメットという人は知らなかったけれど、Face Of A Girlでは繊細なボーカルが往時のマイケル・ジャクソンを思わせる瞬間もあって、素晴らしかった。
TOTOの歴史を思えば、ジェフ・ポーカロが不慮の死を遂げるとサイモン・フィリップスみたいなバカテクのドラマーが入り(現在はスティーリー・ダンとも演っているキース・カーロック)、マイク・ポーカロが病気で戦線離脱すると、ベースにリー・スクラーやネイザン・イーストが入り、ボーカルも変遷が…トラブルが起こる度に、一層絆を深めて、友人ミュージシャンや歴代メンバーで乗り越えて来た感じ。最近のライブDVDを見ると、また新たな全盛期を迎えているのかな、と思ったり。ボーカル・トレーニングを受けてハリや高音を取り戻したジョセフ・ウィリアムスがメイン・ボーカルに舞い戻り、スティーヴ・ポーカロも復帰していて。ルカサーは相変わらず上手すぎるし、一時期鬱状態に思える程覇気の無いステージを続けていたデヴィッド・ペイチがガンガン歌える位に回復して。全盛期に脱退し、ナッシュビルのセッションマンに戻ったベーシスト、デヴィッド・ハンゲイトも『Toto XIV』では数曲で復帰共演していた。『Toto XIV』はこれまた余り話題にならなかったけれど、良い出来だった。タル・ウィルケンフェルドがベースを弾いている曲まであって。アナログのリリースもあり、そちらのフォーマットで買ってみたんだった。こちらは国内盤もちゃんと出ています。
ところで、ご存知の人もいるかもしれませんが、初代TOTOのボーカル、ボビー・キンボール、今はそのハイトーンを失ってしまった。まあ69歳だから無理はないけれど。三沢基地のアメリカンデーとかいうお祭りに2015年に来ており、客もまばらな中でAfricaやRossana、Hold The LineなどTOTOの代表曲を歌っている。これ、映像があるんですが(ビル・チャンプリンがキーボードを弾いている)、たぶんまともなモニタースピーカーが無く、演奏が聴こえないまま全く違うキーで歌い続けちゃっているっていう…ジャイアンというか、音痴なカラオケ親父みたいな…あれはヒドかったなぁ。一時代を築いたミュージシャンが歌っている映像でいえば、今までに見た中で一番ヒドかったです。即席の盆踊り会場みたいな所に見えるから、本人のヤル気もかなり低かったと思うんだけれど、失笑を禁じ得ない(笑)。怖いもの見たさ、というかもし興味がおありでしたら、bobby kimball misawa 2015 africaなどと検索してみてください。そして必ずお口直しにスティーヴの新作『Someday/Somehow』を!!