しばらく更新が空きました。飽きました、だったのかもしれないけれど…レコードを探したり、音楽を聴くことに飽きたわけではなくて、そっちは相変わらずどころか加速する一方ですが…たぶん情報が飽和状態になってきている、というのがあるのかも。昔だったらチェックしている音楽雑誌とか、テレビ番組とか、時折更新されるミュージシャンの日記なりをそれなりに早くチェックして反芻していれば良かったわけだけれど…ツイッターやフェイスブックのタイムラインに流れてくる情報の波と言ったら。もはや人間業では追い切れません。与えられた時間は限られてますから。しかも、その殆どは我々の空き時間を金にしようと目論む、釣り記事という名の広告の山ですから、見てるだけで疲れてくる。そしてそんな無機質な情報に刺激を感じなくなるんですよね。飽和状態=飽き…ってそれにしても漢字はうまく出来ています。
そんなことを考えてブログの記事を書いていると、じきに虚しくなって来てしまって。開設当初は、インターネットという善意の共同体や情報の希少性が生きていて、このレコード好きですよ〜とか、こんなの知ってますか〜とか、見知らぬ音楽ファンの中との交流があったりと、結構楽しかったんですが。最近は余りにも情報の無料化・匿名化が進んでしまっているのか、素通りばかりになってしまった。マニアックすぎる内容にも関わらず90万アクセスに達するという所ですが、なんだかその素通り感がコワイというか(読んでいただいている皆様には大変感謝致しておるのですが…)、別にそれを可視化する必要も一切ありませんが、この気分は伝わりますでしょうか。。フェイスブックなどで、そうした善意のコミュニケーションは生きているように思いますが、そうした24時間コミュニケーションすら、なんだか疲れてしまう。でも、そう、釣りというより「このレコード実はすごい思い入れがあって…」とか「この人好きなんですよ!」みたいな話には、グッと心が引き寄せられる。芽瑠璃堂マガジンに寄稿されている皆様のブログ(ぼくが長らくライナーや雑誌などで親しんできた方々もいらっしゃる!)にはそれこそ音楽愛が充ち満ちているから、ホッとする部分もあったり。
まあそんな愚痴っていても仕方ないので、脈絡なく本日の一枚を。最近入手したハニー・ドリッパーズ、1984年の唯一作。『Volume One』とあるけれど、結局この一枚という。ロバート・プラントのソロ・プロジェクトという印象だけれど、ジャケでは伏せられているメンバーはジミー・ペイジ、ジェフ・ベック、ナイル・ロジャースという豪華なもの。ぼくはサタデー・ナイト・ライブの映像で見たのが初めてで。50年代懐古ってな革ジャンのロバート・プラントが”Rockin’ At Midnight”を歌っていた。そして日本盤のCDを買ったのだけれど、こいつは帯がプラケースに糊付けされているタイプのやつだったはず。日本盤LPは12インチだけれど、今回入手したイギリス盤は10インチだった。手にしてみると、雰囲気は最高。LPと比べてみると、ちょっとサイズが小さいことがわかる。音はかなり良かった!
10インチは結構魅力的なものだ。ちびちび買っているけれど、やはりロック以前のジャズやカントリーが多いかな。パッと出してみたところだとダニー・ケイ、ケニー・ドリュー、スリー・サンズ、ファロン・ヤング・ジーン・オートリー…イギリスという国はこの10インチに思い入れがあるのかな。70年代のRSOレコードの『PRIME CUTS』ってありますよね。これも擬古調で。エリック・クラプトンが歌う”Smile”が入っていることで有名。80年代のイギリス盤でチャック・ベリーの再発10インチというのもあった。
日本のペラ盤は60年代初めのプレスが主だ。これは北島三郎。SP盤とサイズが同じであることがわかる。SPは市丸のもの。SPは趣味で買った物だけれど、私の祖父ぐらいだとお座敷遊びとかがまだ生きていたからか、三味線や小唄のレコードも結構家にあった。