いしうらまさゆき の愛すべき音楽よ。シンガー・ソングライター、音楽雑文家によるCD&レコードレビュー

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【書評掲載】
『情況』2018年秋号 田中里尚(文化学園大学准教授)「教えられぬことこそ語り続けなければならない―石浦昌之の実践について―」
『日本教育新聞』2019年3月18日 都筑 学(中央大学教授)「先哲から学ぶ人生の知恵」
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Art Garfunkel

markrock2012-09-21

/ Singer ( Columbia / 2012 )
/ A PRESENT FOR THE MIKI GROUP”MIKI’S (SOLE) LIFE-LONG WISH〜MIKI NO YUME〜” ( Not For Sale / 1999 )

9月中には出す予定だった私いしうらまさゆきのアルバム『愛すべき音楽よ』だけれど、音以外の部分で結構時間がかかっている。作品とはこんなもので、パッケージでリリースする以上、トータルでじっくり仕上げなければならない。そんな作業も楽しい。近日やっぱりダウンロードだけじゃ悲しい、と考える音楽ファンも多いようで、ベテランの新譜には重厚なジャケットを配したアナログ・リリースも増えてきていたり。個人的にはアナログは予算的に厳しいけれど、パッケージ・リリースならではの詳細なライナーを今回は付けてみた。音とともに楽しんで頂けたら嬉しい。先日そのライナーが完成して印刷されてきた。

さらに、ダニエル・クオン君にデザインしてもらったジャケットやアートワークも大体決まった。毎度のことながら本当に素晴らしい!!今作のテーマ「音楽愛」とブライトでロックな音作りをポップに表現してもらえたと思う。前作もそうだったけれど、友人の助けがあって一つの作品となる。

なんとか10月リリースを目指したい。まだまだ困難があるかもしれないけれど、是非皆さんの耳に届くことを祈って!

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こうしてベテランの新作にいつまで出会えるだろう、なんて後ろ向きなことを考えている昨今。素晴らしい新作『Tempest』が出たボブ・ディランにしても、ついつい思ってしまう。今日はサイモン&ガーファンクルの片割れ、アート・ガーファンクルの2枚組新作ベスト盤『the singer』。リリースが一度延期されたけれど、ちゃんと出た。既に出ているポール・サイモンの2枚組ベスト盤『songwriter』と対を成すもので単純かつ絶妙のネーミング。そのポールも新作ライブ盤(DVD付のデラックス・エディションもあり)が出たので、延期はリリースを合わせたことによるものかも。ちなみに日本盤3990円…私はイギリスのアマゾンから買ったけれど1300円…その差って??


アートが選曲しただけあって、S&G含めてアーティ好みの繊細な歌声が楽しめる作品ばかりで、一番好きな歌手がアーティ、といって憚らない私としては大変よくわかる作り。参加ミュージシャンに光を当てるわざわざ、なクレジット記載も好感が持てる。ただし、客観的に見ると大衆的な評価を得るにはプロデューサーの力が必要だっただろうこともよく分かったり。たたみかけるようにスロウなバラードが押し寄せる感じなんかが、S&Gの大方のリスナーには不満と映ったこともあったろう。でも、アーティはそんなソフトでうっとりするようなボーカル曲が好みなのだということも改めてよく分かるのだ。


個人的にはアーティ作品のソングライターを集めていくことでアメリカやイギリスのシンガー・ソングライター探索の旅が始まったわけで、いまだにアーティやそのスタッフの楽曲選びの感性の鋭さに驚かされる。ジミー・ウェッブ、ジェイムス・テイラーギャラガー&ライルのような有名どころから、スティーヴ・イートン、アダム・ミッチェルからニック・ホルムズまで。楽曲単位でいまだに追いかけ続けているジミー・ウェッブなんてそもそもアーティを通じて知ったわけだし…


さらに、マイア・シャープとバディ・マンドロックとのトリオ・セッションからの作品も多く、しかも”the singer”というタイトルにあってアーティがハモに回った曲も収録していたりと、よほど自作曲が収録できたトリオ作の出来に満足しているんだろう。マイアの父であるシンガー・ソングライター、ランディ・シャープの作”Lena”とマイア作の”Long Way Home”はそのセッションからの未発表新曲として収録されている。なかなか良い曲。


音もとても良い。日本で来月紙ジャケ・再リリースされるオリジナル・アルバムも、リマスターが済んでいなかった盤もあるし、音質的には期待が持てそう。ただ、ボーナス・トラックがイマイチかな。どうせなら、”Is This Love?”みたいな未CD化のシングルB面も入れればいいのに。


そうそう、最近たぶんどこでも語られたことのないアーティの非売品シングルを入手。実に謎めいたミキ・プルーン賛美ソング”MIKI’S (SOLE) LIFE-LONG WISH〜MIKI NO YUME〜”を収めたシングル。「A PRESENT FOR THE MIKI GROUP」とあるから、ミキ・グループ社内に配られたものではなかろうか。1999年8.20,22〜26に開催されたサンフランシスコ、フェアモント・ホテルでのミキ・グループ主催ディナー・パーティにアートがゲスト参加したらしく、そこで配布されたと考えられる。ちなみに歌はちゃんとしたスタジオ・レコーディングされた王道バラード(調べるとRobert “Void” Caprioのプロデュースとのこと)。歌詞は英語だけれど、日本人が作った英語だということが一発で分かる。よくぞアーティが歌ったな。言いたくはないけれどJust for moneyでしょう。サビが”オー、プルーン、プルーン、ミキ・プルーン♪”なんて、ね。