/ RiNGO 2012 ( Hip-O / 2012 )
ホイットニー・ヒューストンの死。48才ということで驚いたが、薬物治療を受けていたとは知らなかった。最近名前を聞かないとは思っていたけれど。アメリカはマイケルに続き、偉大な黒人歌手を失ったことになる。母の歌手シシー・ヒューストンもまだ存命だというのに…
さて、今日は昨日のポールに続きリンゴ・スターの新作(ビートルズ正式加入50周年だそう)。アート・ワークもポールと揃える徹底ぶり(http://d.hatena.ne.jp/markrock/20120210)。タイトルからすると名作ソロアルバム『RINGO』の現代版かな、と期待してしまう。前作『Y NOT』から2年のブランクを置いて。これがなかなかゴキゲンなロックンロール・アルバムに仕上がっている。共作陣ではグレン・バラード、ヴァン・ダイク・パークス、ゲイリー・ニコルソンが名を連ね、ジョー・ウォルシュが参加、とほぼ今作と被っている『Y NOT』も悪くはない作だったのだが、イマイチ何度も聴くには至らない仕上がりだった。それがなぜか今作はリピートしたくなるキャッチーな出来。
その理由は今作で、バディ・ホリーの”Think It Over”(ビーチ・ボーイズっぽく聴こえる!)、ロニー・ドネガンの”Rock Island Line”というそれぞれロックンロール/スキッフルのオリジネイターの作品をカバーしている点かな。これでアルバムの色が決まった感じ。ほぼ伝統芸能に近くなっているけれど、ここまで軽やかにロックンロールできるのはやっぱり凄い。さらにアルバムのアタマと最後の1曲もビートルズを想起させるシンプルなロックンロールだし。アルバム全体で28分というのも潔いでしょう。
70年代のセルフカバーも2曲収録(ヴィニ・ポンシアと共作した”Wings”と自作の”Step Lightly”)。後者はドラムスはもちろんギターもリンゴ自身が弾いている。
リヴァプールもの、と呼びたくなるけれど”In Liverpool”はポップな仕上がり。同じくデイヴ・スチュワートと仕上げた2008年のアルバムタイトル曲”Liverpool 8”の続編といった感触を受ける。
プレイヤー参加はお馴染みの顔ぶれもあるけれど、先ほど触れた以外だとエドガー・ウィンター、ベンモント・テンチ、ドン・ウォズ、デイヴ・スチュワート、ケニー・ウェイン・シェパード、チャーリー・ヘイデン、まいケル・ブラッドフォード、ブルース・シュガー、スティーヴ・ダンダス、エイミー・キーズ、リチャード・ペイジといった豪華版。