/ One For Lady ( Victor / 1971 )
女性ジャズ・シンガー笠井紀美子の初期作品。さいきんLPで300円位で発見したけれど、むちゃくちゃ良かった1枚。以前1970年のライブ盤(http://d.hatena.ne.jp/markrock/20101207)やかまやつひろしプロデュースの『アンブレラ』(http://d.hatena.ne.jp/markrock/20100210)をこのブログで紹介している。
共演のマル・ウォルドロンは伝説のジャズ・シンガー、ビリー・ホリデイの専属ピアニストで、ビリー死後のソロ作『レフト・アローン』(1960)は日本でも大変人気のあるレコードとなっている。
ビリー・ホリデイが嫌いなジャズ・ボーカル・ファンなんているのだろうか。誰もが通る道なんだろうけれど、すごく良く歌えていると思う。かみしめるようなビリーの歌い回しを思わせつつも、どうしようもなく笠井紀美子の唄だ。”Yesterdays”(椎名林檎ファンにオススメ!)、”Lover Man”、”Willow Weep For Me”といった有名どころに加えて、マル・ウォルドロンが笠井のために書いたというバラード”Some Other Day”が素晴らしすぎるので必聴。
ジャケット・デザインも外・内ともに好感が持てる物で、コレはLPじゃなければオハナシにならない。トリオ編成のメンバーはマル・ウォルドロン(ピアノ)、鈴木良雄 (ウッドベース)、 村上寛 (ドラムス) 。熱い演奏に珈琲が進む進む。彼女ももう66才。音楽は引退状態なのだろうか。