/ Victim Of The Joke?−An Opera ( Stax / 1971 )
デヴィッド・ポーターのソロ3作目。なんだかんだ初めて買った。サム&デイブが好きでも”Soul Man”や”Hold On I’m Comin’”を作ったデヴィッドのソロにはなかなか手が届かない。ソングライティングの相方アイザック・ヘイズは耳に入ったとしても。ヘイズは何しろ売れたから。デヴィッドは相当妬いたんじゃないかな。
ただ、この唯一CD化されている3作目の本盤を聴く限り、こっちの方が好みだった。ヘイズの低音・長尺も悪くないけれど、スムースなシャウトやシンプルでノリの良いメロを聴いていると、ヘイズの手柄と思われたサム&デイブはじめとしたヒット曲もデヴィッドに負う所が大きかったと思えてくる。とはいえ、トータルアルバム足ろうとする余り、インタールードを挟んだコンセプチャルな作りがちょっと取っ付き難さを与えるし、一番の聴き物がビートルズ”Help”の南部風カバーってのもちょっと残念にも思える。しかしその仕上がりが悪くないから困ってしまう。コレはシンガーとしての実力でしょう。
えげつないセルフ・カバーものなんかを聴いてみたかったけれど、エディ・フロイドなんかとは違って、自演アーティストとしては恵まれなかったから無理なオハナシ。でもついついソロを集めちゃおうかな、という気にもなってきた。